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秋を享受せよ 2023/10月末の日記

 秋らしさがまだ続いている。
大学キャンパスの表の方(土地に表も裏もないが、よく使うのを表とする)は銀杏がよく落ちていてとても臭い。大学の品位にも臭いが付きそうだ。私の通ってる大学なんかに品位なんてあって無いようなものだが、ない品位がさらになくなりそうなんだから問題である。でも裏の方には金木犀があたりに並んでいてその辺の鼻の感じは良い。でも裏の方は人もいないし用事も全然ないからやっぱり問題である。

 さて、ここ最近は色々あった。時系列順で言うとまず、スマホのロックをなんの気なしにパターン型に変更したら思い出せなくなった。どうしようもないのでスマホを初期化することにした。とってもマヌケである。

 初期化するしか手段がないと知ったときはかなり焦ったが、意外と大丈夫だった。
決済アプリとSNS類とSpotifyを復帰されれば意外とそれ以外はなくても全然大丈夫だった。むしろスクリーンタイムがちょっと減って本を読む時間がちょっと増えた。

 そして何よりも、スマホの記憶をまっさらに消し去ることで私のほうが上の存在であると示す事ができたのが妙に人間である私の優位性を感じられていい気分になった。
ちょっと便利な電話風情が私の貴重な人生を奪おうなんざ100年早いわ!私が「上」、スマホは「下」だ!!!


 このスマホ事変の二日後、KIRINJIのライブがあったので行きました。


 好きになったのは割と最近の方だけど好きになってからは私の耳を毎日通過しているKIRINJI。
かなり良かった。


 普段はないみたいなんだけど、「ムラサキ☆サンセット」の歌い出しをミスったり、サイン会で私の前の人へのサインの日付を間違えるなど、逆にレアな高樹さんをみることができた。とても良い。


 どの曲も良かったけど「時間がない」と「Rainy Runway」はすごく良くて感動で泣きそうになった。泣いたかもしれない。

「時間がない」は生の演奏が40代を過ぎた自分の人生をやや悲観しながらそれでも明るく前を向こうとする歌詞に十分すぎる程の重みが加わっていた。
特に「大切なもの見失ってしまいそうさ」という歌詞が軽やかに歌われるのに対してずどんと重みを感じた。

最後の曲の「Rainy Runway」もコロナ禍が開けた最近(最近また増えてるけど)ととてもマッチしてて良かった。
KIRINJIはコロナ禍の影響が曲にも出てるので、最新アルバム含め明るくて新しい感じの曲が多くなっててとてもいい。

ライブ当日は雨だったけど翌朝はとても良く晴れてて、町を歩くとき、思わず「Rainy Runway」を口ずさんだ。


 ライブの日の夜。会場が二見浦という絶妙にアクセスが悪いのとライブ開始が18時からのため適当なところで泊まる必要があった。
 賓日館のすぐそこには素敵な旅館が立ち並んでいたが、お財布への信頼には一抹の翳りを見せる私は泣く泣く素通りせざるを得ず、代わりにゲストハウスに泊まることになった。

 ゲストハウスには飲食スペースを兼ねた交流スペースがあった。ボードゲームや楽器が置かれていて、「交流、どうぞ!」というオーナーの圧を感じた。だが交流スペースとは言うものの、居合わせるのは完全初対面の人たちなので「交流…?あー…いやちょっと(笑)」みたいな感じになるものだと思っていた。

 ライブを終えコンビニでカップラーメンとチキンを買ってゲストハウスに戻ると、三重の観光地についてオーナーと話す客、パーティを始めようとお菓子を広げる6人くらいの子どもとその母親の団体、なんか勉強してる同い年くらいの人とライブのとき私の斜め前に座っていた人などがいた。あと酔っ払いのおじさん。

 ベッドのある部屋は飲食禁止なので交流スペースでそれぞれの時間を過ごすもんだと思っていたら、斜め前に座っていた人がスペースにおいてあったギターを触り始めて、それを見た酔っ払いおじさんが「君ギター弾けるの!?じゃあなんか弾いてよ!」って言い、子どもとその母たちの団体が「じゃあ私はドラムやります!」と椅子みたいな太鼓とシンバルを持ってきておじさんと他に取り柄のない私達は歌うことになった。

それは完全初対面セッションの始まりだった。

ちなみにその日はちょうどこのゲストハウスのオープン3周年に当たる日だったらしい。コロナ禍真っ只中にオープンし一寸先は闇だった3年前からしてこんなふうに盛り上がれるなんて、とオーナーも大喜びだった。

現実でこんなこと起こり得るんだ。こういうのってPRのなかの絵空事だと思ってた。

この完全初対面セッションは2時間に渡り、終わる頃には日付が変わろうとしていた。

 シャワー浴びてなんかダラダラしていたら2時を回っていて、寝て起きたら9時だった。その頃にはセッションを楽しんだ人たちはみんなチェックアウトしていて、オーナーがひとりで交流スペースの掃除をしていた。

 オーナーに挨拶をしてチェックアウトをし、私はゲストハウスを出た。




 帰りに伊勢神宮とルーブル彫刻美術館に行きました。


ルーブル彫刻美術館はめちゃくちゃすごい作品が盛りだくさんの割に人が全然いなくてかなり良かった。



日本的田舎風景に唐突なニケ。かなり良い。



田舎の自由の女神。ニューヨークのオリジナルと並べてみたい。


これだけで絵画



館内は写真撮影自由。客も私だけだったのでミュロンの円盤投げもこんな角度で取り放題


 レプリカとはいえめちゃくちゃ精密にできていてもう本物。こんなにすごいのに全然空いてるので三重に用のある人はついでに是非。



ちなみに旅行後、めっちゃ風邪ひきました。コロナでもインフルでもない雑魚ウイルスに負けました。

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