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【WEB再録】迷ったら食べろと神は言った〜食べることを前提に作られていないものを食べた編1〜

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地獄の釜の蓋は開いた
□AUBE couture(オーブクチュール)
デザイニングインプレッションアイズ
□キャンメイク アイシャドウ シークレットカラーアイズ
[01]血色風赤シャドウ
□キャンメイク ナチュラルシフォンアイブロウ
[01]スウィートティラミス

(いずれも2017/1/5ツイートより)

補足すると、食べ物じゃないものを食べたことも、メイクポーチの中身を食べたことも、そのことをTwitterで食レポとして報告したのも、別にこのときが初めてではなかった。2015年くらいからちょいちょいそういう記録は上げていたし、日常茶飯事でバイオハザードも起こしていた。
ただ、このツイートが一つのターニングポイントとなったことは確かなので最初に載せることとする。
(以下、当時のツイートより抜粋)

「いや妹の私物に手を出すんじゃねえよ」という至極真っ当で倫理観100%のご意見をツイート当時には大量にいただいたが当たり前体操である。
念のため付け加えると、今回実食したAUBEはしをはら本人の、キャンメイクの方が妹の私物であり、妹には一連の事態を報告した上で許しを得ている。

ちなみにこのAUBEのアイシャドウは税込み3,100円、キャンメイクの方は税込み700円程度で売られているので、単純計算で4.4倍ほど価格に開きがある。中堅モデルと廉価モデルを比較した感じだろうか。
補足すると、シャネル、ディオール、イヴ・サンローランなど、いわゆるデパコスと総称されるような高級ブランド化粧品のアイシャドウは定価で7,000〜9,000円とか1万over、もうちょっとくらいする。本書の執筆にあたって「せっかくだし本物のデパコスの味見を……」と思わなくもなかったが、試食のために手を出すにしてはなかなかハードな出費だったため断念した。

味は本当にこのツイートの通り。
舌にのせた段階で、じんわりと鉄分みを感じたのはAUBE。AUBEの方は、かなり黒っぽいダークブラウン、こげ茶、ベージュ、銀白色ラメ、と全てのカラーにふんだんにラメが練りこまれ、ギンギラギンギラしていた。ラメの粒子が大きい。
キャンメイクの方は、ラメラメしている白〜シルバーの粉も、濃いピンクも、シャドウ用の濃ベージュも一通り舐めてみたものの「ああ、きめ細かい粒子が触れているな………」というささやかな感触があっただけで、味覚に訴えてくる要素はなかった。もっとラメラメした、粒子の大きい商品を食べてみればよかったかもしれない。
ちなみに、このときキャンメイクのアイブロウの方も一緒に試食した。かぎりない無味があった。虚無の大草原があった。かなり多めに舌に乗せると、どことなくモヤッと……モヤッとした、味蕾細胞が被覆された感覚があるものの、味覚と呼べる域には達しない模様。目隠しをされた状態で「今食べたのは、キャンメイクのアイシャドウとアイブロウ、どっち?」と尋ねられても多分わからないと思われる。

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ファンデーションよりまずいクッキー
□DHCミネラルパウダリーファンデーション

(2016/5/17ツイートより)

これに関しては、ファンデーションよりも「クッキーがまずい!!」ということばっかり書いてて本当にすみませんとしか言いようがない。
そもそもなんで、こんなまずいクッキーをわざわざ買っちゃったのか、というと、「手作り風クッキーの透過素材を自作したかった」からであった。(その頃ちょうど「おそ松さん」アンソロジーの編集作業をしており、その告知媒体用に使うつもりだった)

代償が大きすぎた透過素材(結局使わなかった)

もちろん、そのために買ったクッキーが震えるほどまずいなんてことは、その時点では1ミリも想定していなかった。当然、撮影が終わったら全部食べるつもりだった。
まさかここまでとは。
未知の感覚であった。ざっくり、どっしり、に、更に「じっとり」が付与されている。中でも一番受け付けられなかったのは臭いだ。酸化した油くささ。油というより脂という漢字を使いたいところ。そして独特の、日本の菓子では嗅いだことのないタイプの香料。(知ってる中で一番近いのはベビーパウダーの匂い)

しかもこのクッキー、なんと総重量が400gもあった。買うときにちったあ考えろよ、と己の浅慮を呪った。漂う絶望感。繰り返し襲う嘔吐感。買ったからには責任持って食べ切らなきゃいけないけど、これ食べきれるのか……?と、3枚ほど食べたあたりで悲壮感に苛まれた自分はここで奇行に走る。ファンデーションの方がいっそのこと美味しいのではないだろうか?

美味しかった。

というか、減点法で評価したときにファンデーションを減点する要素がなかったので、そうなるのも当たり前かもしれない。「そもそもファンデは食べ物ではない」という一点を除いて。
パウダーファンデの口当たりは、キャンメイクのアイシャドウと似ている。細かい粒子で無味。舌に乗せるとのっぺりした風味。でもちょっと香ばしい匂いがする。砂糖を混ぜたら、きな粉だと偽って餅にまぶして人に食わせても気付かれないのではなかろうか。

ちなみに、ファンデーションおいしい!という己の一連のツイートの後、それを見た数人のフォロワーが自らのメイクポーチを開き「本当だおいしい」「きな粉だ」と続いて実食を始めてしまい、TLをちょっとした地獄絵図にしてしまった。あのとき「みんなが急におかしくなった」「一体どうしたの」と恐れ慄いていた人たちだけが、正常であった。

その後、懸念していた「クッキー全部食えねえよ」問題は「父親がよろこんで全部たいらげる」という平和的かつ理想的な方法で解決された。ほんとうに良かった。
そして自分はこれを教訓に、もう海外産の大袋クッキー(メチャ安価)には軽率に手を出すまいと誓ったのであった。めでたし。

(以下、当時のツイートより抜粋)


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クッキーよりおいしくファンデーションより美味しい(?)ファンデーション
□コーセー エスプリーク ピュアスキンパクトUV

(2017/10/26のツイートより引用)

合法の高い粉(要約)の方も食べてみた。流石のエスプリーク様、特筆すべきは粒子の細かさである。本来の用途に使っていてもそう思う。ふわっとしているんだけども密着してくる、なめらかな食感。とても繊細な香りが郷愁を誘う。童謡の「おかあさん」を彷彿とさせる。新品開けたてを食べたのでなおさらそう感じたのかもしれない。
顔に塗る前に舌に塗るんじゃない。

(以下、当時のツイートより抜粋)(拡散されすぎちゃって本家エスプリークさんとこへの風評被害が危ぶまれたため元ツイートは既に削除しています)

■新しく買ったエスプリーク!!!めっちゃ旨い!!!!!!粉の味がする!!!!

■後味うっすらバニラの香り
DHCよりも美味い さすが高いだけのことはある

■素材の旨味が生きている感じがする 後味が甘い


※※この文章を書いている人間は特殊な訓練を受けています 絶対に真似をしないでください※※

[Part2へつづく]

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