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森羅万象、万物流転の名において。

1年前とは違う蝋燭を灯している。
ある日突然わたしの元にやってきたそれは、その姿未だモノクローム。
だけど毎日、わたしをゆらゆらと揺らしている。

未知の世界から、全く別の土地から、灼熱の非常識の国から、ただここへ来るために呼び寄せられたのだとしたら。それがただの幻想で妄想であるとわかっていても、その灯を守らずにはいられない。


それが何でできているのか、どうやって今の形になったのか、与えられた情報はあまりにも少なく、心許ない。
だけど毎日ちゃんと、灯は消えることなく灯されている。


最初は小さくて、今にも消え入るのではないかと、その存在すら信じられなかった灯が、今は消えない信頼へと変化し。あげくわたしの薪に欠かせないものになったのだから、人生の未知数。


感じるのは「いま」だけで充分。
未来にその灯が消えるとして、水をかけられるとして、そんな将来を今が内包しているとして、だから何だって言うの?
見えないものの未来を、誰に決められると言うの?


見えるものでさえ移りゆくこの世の中で。
同じ形のまま姿をとどめるものがないこの世界で。
いわんや見えないものにおいてをや。
森羅万象、万物流転の名において。


その灯に癒されているわたし、誰の保証も許さない。


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