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管理職って難しい。

私は管理職、いわゆる課長です。

担当者として仕事をしていた時も難しいと思うことはありましたが、管理職になるともっと難しいことがたくさんあるなあ、感じています。巷に管理職とはこうあるべき、というような指南本が溢れていますが、多くの人が悩むのもとてもよくわかります。

昨日、他の部署の管理職の人と話をしました。Aさんとしましょう。最初は相手からケンカを売ってくるような形だったのですが、よくよく話を聞いてみると、Aさんも本当に悩んでいるようでした。

こっちも何を言おうか、相手がこう言ってきたらこう、みたいなシミュレーションをしたり、部下に事前に情報集めをしたり、と万全の準備を整えてファイティングスタイルをとった状態で会話をスタートしたのですが、なんとAさんが自分の部署の悪口をダーッと言い始めたのです。

それ、こっちが言おうとしていた苦情なんですけど・・・みたいな内容だったので、逆にこっちがビックリしてしまいました。もううちはダメだ、から始まり、腐ってる、あれじゃ何も良くならない、と嘆いていました。

Aさん、もともとその部署の出身ではなく、さらに言うと別の工場から来られた方です。工場の場合、同じ敷地内になっても建屋が違うだけで文化がまったく異なります。部署が違うだけでも苦労するのに、ましてや工場が違うとなると別会社と言っていいほどの大きな違いがあります。ですが、管理職の場合、自分の出身地や得意分野をあまり重視されないような形で、え?この人がここ?みたいな人事がよくありますが、たぶん、Aさんもこんな感じでここに来たのだと思います。

自分の部署の悪口を言うなんて、という見方もあるのかもしれませんが、確かにその部署は昔から何もしないことで有名な部署で、事なかれ主義、無責任主義に私もよく苦しめられてきました。Aさんはそういう後ろ向きな文化に苦しめられていて、でも、それを変えようと戦っていたわけです。

そんな中で私の部署に対して攻撃をしてきたわけですが、今から考えたらAさんはこっちに助けを求めていたんじゃないか、とすら思えました。自分たちでどうにかできないけど、Aさんの思いを実現するためになんとか助けてくれないか、と考えたら納得できるからです。

管理職の中にはこういう状況で自分の無力さを実感し、変えることを諦めてしまう人が多いと思います。リーダーがこんな感じだと、部下も変わらないのは当然ですよね。ですが、戦っている管理職の人たちもいるんです。Aさんも、刺し違えてでもこの部署を良くしたいんだ、と言っていました。

Aさんとの会話は、最後の方はお互い前向きに取り組んでいこう、という形でまとまりました。Aさんがこんな状態でへそを曲げてしまい、こちらの言うことに聞く耳を持たない人だったら、こちらもいつまでもファイティングポーズを取り続けないといけなかったでしょうし、こうはならなかったと思います。

Aさんには感謝したいと思いますし、管理職ってホントに難しい位置だなあ、と思わざるを得ませんでした。

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