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【香川県】 公立高校入試の平均点

教育委員会の概評

香川県の公立高校入試は3月上旬に実施されるが、そのデータが出そろうのは4月の下旬か、遅ければ5月の頭にかけてである。

今回、令和4年度の入試は、教科書が改訂されてから初めて本格的に実施される検査であっただけに、筆者も含めて、塾屋としては結果の気になるところであった。この記事では、その内容云々よりも、過去のデータを一覧で示したうえで、その推移について検討してみよう。


入試平均点(10年分)

下の表は、香川県の公立高校入試、過去10年分の一覧である。

視認性を高めるためにグラフ化したものも、あわせて掲載しておこう。

令和4年度入試は前年に比して合計点が3.6点の上昇となった。国語・社会・英語・理科の前年比は、ほとんど誤差の範囲と言って差し支えない。合計点の上昇は、ほぼそのまま数学の上昇によるものである(前年比+3.9点)。

グラフにすると一目瞭然なのだが、令和になってからの3年間、数学を除いた4教科は平均点がほぼ横ばいなのに対し、数学は令和3年度の極端な落ち込みが、今回で若干の回復をみたと言える。

令和3年度の数学の落ち込みは、多くの受験生が大問をまるまる1つ、解答をあきらめたことが原因である。いわゆる「新傾向問題」というもので、設問の文章量・文字数が極端に多く、半端な学力で挑んだ受験生には太刀打ちできなかったのである。

[筆者注]
もちろん、多くの受験生にとって入試の目的は「全問解く」ことではなく、本来解けるはずの問題でお粗末なミスをしないことが重要なので、時間がかかりそうだと思ったら、素直に「飛ばす」というのも戦略のひとつです。
(ただし、高高・丸高・一高あたりを目指す場合、そんな悠長なことは申せません。可能な限り満点・高得点を目指さなければなりませんから)


入試平均点の目標値

ところで、あまり知られていないことだが、公立高校入試の平均点には、教育委員会の設定した目標値というのがある。それは正答率55%、得点にして138点である。

とはいえ、ここ5年以上というもの、合計の平均点は140点を超えている。さらに、受験生のピーク層は年々上昇しており、今回の令和4年度にいたっては180~200点の層にピークがある、と報告されている(参照:令和4年度香川県公立高等学校入学者選抜学力検査の概評について)。少し前ならば考えられないほどの高水準である。

これはつまり、上位進学校といわれるところ、たとえば高高・丸高・高専・桜井・西・坂出などに行こうと思ったら、半端な学力では定員からあふれてしまうことを意味している。180~200点など、そう簡単に取れるものではないのだ。

しかし一方で、合格ラインが合計100点を下回るような公立高校は、この2~3年、定員割れが目立つ。「公立」にこだわるだけなら、倍率の面においてハードルはそれほど高くなくなってきている。これも、ここ数年の動きとして無視できない動きである。

ことここに至ると、これまでのように盲目的に公立高校を目指すことの意味や、その価値について、いったん立ち止まって考える時期が来ているのではないかと思う次第である。

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