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小学生の時のパジャマ

小学生の時のパジャマ

機嫌がいい時に
認知症の母がよくそう言っていたのは

洗濯してもすぐに乾く
白地に色とりどりの
少し大きめの水玉模様の
ポリエステルのパジャマだ

もちろん
母が小学生の時から
持っていたものではなく

私が近所の大中で買ってきた
パジャマの中の一つだから

わりとポップで
一般的には
おばあちゃんより
若年層向けのもので

母がどう思っていたかわからないが

わりと明るい色合いの装いのものは
地味目の落ち着いたものより
母が生き生きとして見えるのが
私は好きだった

母が小学生の頃は
太平洋戦争が始まる頃で

似たようなパジャマを
子供の頃に持っていたのか

子供時代のことを
イメージさせるような柄だったのか
分からないが

母が亡くなってから
残ったパジャマを目にするたびに

何を思ってそう言っていたのか
いまだにわからない
小学生の時のパジャマ

母の口癖がよみがえる
そのパジャマは
処分できずに
私が引き継いだ

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