トリックは難しい
繁忙期の間隙を縫って「読者への挑戦状」形式のミステリ第三作目を構想しているのですが、早くも難渋しています。
『サンタクロースの不在証明』は密室もの。
『オートロック』は密室ものかと思わせての叙述トリックでした。
自分で「叙述トリックは劇薬」と書いておいて、わずか二作目にして頼っているのだから世話ありません。
こうなると、次は同じ手を続けて使えないぞ、という個人的な制約が課されます。
叙述トリックは便利な反面、色がついてしまうと、面白く見せるのがどんどん難しくなっていきます。気持ちよく騙されてやろうと身構えている読者ほど、案外、気持ちよく騙しにくいもの。競馬に喩えると、逃げ馬は忘れた頃に不意打ちで大逃げするからこそ逃げきれるわけで、何度も逃げ続けて手の内がバレていたら、体のいい標的にされてしまうだけです。
はてさて、次はどんな作品を書くことになるのやら。
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