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これからの「小説」の話をしよう

 なぜ得られる対価が労力に見合わないのを覚悟のうえで10万字近い「小説の書きかた私論」を書いたかといえば、これを契機に、もっと小説の方法論を巡る議論が活性化してほしいと願ったからでもあります。

 小説の書き手が、自分が選んだ小説という表現形式についてもっと自覚的に探究することは、上達の近道ではないかもしれませんが、決して遠回りでもないはずです。
 本稿を読んで小説のメカニクスに興味を持ち、
「私ならこう書く」
「この項のこの部分は誤りだ。正しくは、こうではないか」
 と、それぞれ自分なりの小説論を挙げてくれるようになれば、小説の書き手全体の裾野が広がるし、ひとりでは得られることのできない知見が得られるかもしれない。
 ここで私は僭越ながら、

#小説のメカニクス

 というハッシュタグを提案しておきます。
 小説とは自由な表現媒体なのだから、趣味の範囲だろうと一次選考止まりだろうと最終選考経験者だろうと、自由に方法論を語ろうではありませんか。私だって、書き手としては所詮、地方文学賞の最終選考止まりでしかありません。このハッシュタグをつけて投稿してくださった小説論は定期的に確認して読ませていただきますし、興味深いものはこちらのnoteでもご紹介したいと思います。
 畢竟、小説を書くのは孤独な作業ですが、せっかくここにはインターネットという武器があります。これを活用しない手はありません。

 有難いことに、さっそく小説私論を読んでくださったみらいさんからコメントをいただきました。

この作品を読んでの感想としては、理系の論文を読んでいるかのようでした。小説を因数分解していて、すべて理論で解明しているからです。とても面白かったです。
小説=人生、人間の洞察、観察、考察だなとの感想を持ちました。
また、読む人さんの、感覚、エモーショナルな部分を掘り下げた小説論も読んでみたいなと思いました。

 私自身は理系科目とはとんと縁がない文系学生でしたが、理系の論文を読んでいるかのよう、と言っていただけたのは望外の喜びです。なるほど、因数分解とは言い得て妙ですね。たしかに小説の文章を機能の観点から突き詰めていった結果、素因数となるのはあの三要素だし、それらが組み合わさった一文が因数、そして因数同士の乗算の結果として、複雑な文章が展開されていく。

 小説の文章を機能の観点から因数分解する道しるべは、一応10万字近いnoteにおいて示すことができたはずです。ただ、私ひとりでは辿り着けない知見が、まだまだあることでしょう。「感覚、エモーショナルな部分を掘り下げる」というのもたしかに、私にまだまだ残されている課題です。

 ちなみに、みらいさんもコメントで挙げていらした考え之介さんの作品、私も好きです。以前『妻が消えた日』という作品を紹介させていただきましたが、最近だと『胡蝶の夢』も面白かったです。

 星新一先生の偉大な功績もあり、ショートショートとSF、最近だとショートショートとAIは親和性が高くて、そのぶん書かれる作品の数も多いわけですが、この作品は二段構えのオチと、読後感のよさが特長だと思います。

サポートは本当に励みになります。ありがとうございます。 noteでの感想執筆活動に役立てたいと思います。