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築17年の戸建て物件を購入した結果、得たもの

不動産購入は、敷居が高い。

購入したとたんにリスクやネガティブな声が聞こえるから、

日本の場合、仕方ない。

(海外は家を購入しても、土地は順調に値上がりしている国が多いので、リスクが低いかも?)

もちろん、30年以上のローンを組むことが前提の人が多いので、

大きなお買い物になる。


海外で長く賃貸生活を続けてきた私たちにとっても、家の購入は人生の一大事だった。

ましてや、2年前日本に帰国してすぐに、

まったく日本の不動産の知識がない状態で家の購入を考えたのだから、

仕方ない話である。

去年4月、大阪の郊外に、築17年目の一戸建てを買った。


探し始めたのが2019年の秋の終わり、休みのたびに、新築物件を見に行った。

家を見るのが好きな、私の母と一緒に、車で不動産屋さんが迎えに来る。

沢山物件を見たが、購入が決まったのはコロナが猛威が襲う、ほんの少し前だった。


私は今まで海外に15年ほど暮らしていた。

不動産を海外で探した経験もある。


不動産は出会いだと、ある女性不動産ブローカーが言った


どうやってみんな家を決めるの?

何をポイントで選べばいいの?


無知な私の問いに対する彼女の答えは、

『あなたもその時が来るわ。

見た瞬間にヒラメキが落りてくる。

この家は私の家だって、思う瞬間があるから、きっとあなたはまだ出会ってないのよ。』


50代後半ぐらいの、その女性はおおらかに笑って言った。


そして本当に、その瞬間が訪れた。

意外にも、そこは海外ではなく住み慣れた大阪でだ。


不動産の手違いだったのか、、

私の家ウェブサイトの写真は緑一色だった。

(今でも謎のままだが)


空を明るくしたかったのか、

色の調整をしただけ。。。だったのかもしれない。

でも、そのコケのような緑色は、すべての家の写真にめぐらされ、

コケ屋敷に見えた。

壁も天井も、クローゼットも、畳すら緑色に染まってた。


17年前の物件だから、いい家もこんなに緑になるのかな?

(足滑らせるとやばいぁ・・・)

そんな第一印象だった。


でも、一目で建てるのにお金をかけた自由建築のいい家だった。

天井が高いログハウス風。

ロフトが2つ、駐車場が二台分ついている物件は都会ではそうは見つからない。

でも、その時はふーーん、と流した。

一度見てみたいな、そんな気持ちだった。


2か月後、さんざん新築物件を見て回り、

予算を組んでPCにむかっていたら、

忘れたころにその家が出てきた。


新着物件、あれ?この家見たことあるな。

あ、これ。。。。緑の家・・・。

200万ほど下がっている。


今回は、不動産屋の営業マンに、この物件見せてと頼んだ。


その営業マンは、自分の物件ではなかったから、

知識が全くないし、ええーここでいいんですか?と、驚かれた。(新築物件じゃない)

営業マンには面倒くさそうな返事をもらったが、

ものは試しだ。

どうせ半日物件巡りするのだったら、ここも見てみようと

とついで程度に予定に組んでもらった。

もし、実際見て、古い汚い家だったとしても、

海外暮らしは、綺麗の基準がまったく異なって、借りる家は写真はきれいなのに、実際すむとめちゃくちゃ汚い家が多かった。

でも、住む前より住んだ後に、めちゃくちゃきれいにして、毎度退去していたので、部屋の印象を変えることは、既に6年のキャリアがあったから自信があった。

一番その上が気になったのは、広さと

値段が安けりゃお買い得の立地(駅から徒歩8分)だった。


内覧当日。

車の中で営業マンが話す。

この家は、建てた持ち主が16年住んで、その後買った独身男性が一年で手放すから売りに出たという。

売る理由を聞くと、結婚するお相手の女性が戸建てよりもマンションの方が便利だといっているらしい。

不動産屋さんの車で、現場に到着。

着いて目に飛び込んできた家は、なんとピンクだった。


緑じゃ、ない。(狐につままれたようだった)

外壁が明るいピンクで塗られて、

私は一目で気に入った。

天井の高さ、玄関の広さ、吹き抜けのステンドグラス、

何よりもトイレとお風呂、洗面台が作り付けで、

収納がびっくりするほど多い家。


後で訊けば、建設業のオーナーがモデルルームの目的で建てた家だったらしい。

建てた時のコンセプト、

『ヨーロピアンな風格のお洒落で健康的な自由創造の我が家』


しかも、新築で建てることを計画していた私たちにとっては、

予算が半分以下で済んだ。

(よし、ノーローンで、いける!)


外装や屋根の補修、キッチンも既にリフォームが終わっていて、すぐに住める状態だった。

3人家族の私達には十分すぎるぐらいの家を、手に入れた。


欲を言えばきりがないが、

トイレが二つあればパーフェクト、

と思う位のマイナスポイントは全く気にならないぐらい好きになった。

ああ、これだ。

この家は私を待っていたんだ。

惚れ込んだ。


じつは当時、海外に住むか、日本に住むかを悩んでいた。

夫との生活や将来の意見の違いもあったので、別居期間で日本に帰ってきていた。

その家を見た瞬間に、私は日本で住むことを決意。

この家でこれから生活したい、それが強い希望となった。


互いに違う道を選んで、共同親権も考えた結果、まだ夫と暮らしている。


偶然ではなく必然としてこの家が家族の危機を救ったともいえるのである。


そこから得た教訓。


自分の心の声に従おう。

自分の好きなものを手にしよう。

決して惰性や、自分を殺して、他人本位で生きてはいけない。


住む場所、住む家はとても大切なんだと分かった。

今はこのピンクのお家に似合うような自分に変化していくことを何よりの楽しみとして。

緑のコケだらけの家から、まるで宝くじに当たったような、急展開。

コロナ禍で家を買うというのが少し心配だったけれども、

相手も早く売りたかったようなので、底値で買えたと言ってもいい。


家が大好きになって、この1年間のリモートワークは楽しみしかない。

自分の好きなことを発見し、自分をより発信していくことを続けていこう。

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