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投票率ジャーナル 第三号【二大特集 下地ミキオもう一つの謎 沖縄維新1000万円寄附問題の謎に迫る+京都市長選三陣営の勝利のカギは!?

1 下地ミキオもう一つの謎 沖縄維新1000万円寄附問題の謎に迫る

当ジャーナルで推測した通り、日本維新の会所属の衆院議員、下地幹郎氏が、2017年衆院選時に中国企業側から100万円を受け取っていたことが明らかになった。本日記者会見を開いた下地氏は事実を認め、今後の進退に関しては後援会と相談して決めるという。

IR汚染に関して下地氏がどのような役割を担っていたのかは、今後捜査の進展を待つとして、当ジャーナルでは、その下地氏が中心となっている日本維新の会沖縄県支部に巻き起こったもう一つの疑惑について調べていきたい。

上のファイルは、日本維新の会沖縄県総支部の平成30年分の収支報告書だ。

これを見ると、自由民主党沖縄県支部連合会から平成30年9月10日に1000万円の寄附を受けていることがわかる。

維新の会沖縄県総支部の平成30年度の収入が約2500万円だったということを考えると、この額の寄附がいかに大きなものだったかがわかるだろう。

これは沖縄において自民党と維新の会の間に大きなつながりがあるということを示すと同時に、この両党に共通するある大きな特徴を示すものでもある。

 まずそれを知るには、沖縄政界における自民党と維新の会の関係性をおさえておく必要がある。

沖縄において維新は沖縄一区にのみ選挙区公認候補を擁立しており、それがほかでもない下地幹郎氏である。他には、自民党公認の國場幸之助氏、オール沖縄勢力の共産・赤嶺政賢氏の三氏が1区から立候補しており、過去2回の衆院選ではいずれも赤嶺氏が勝利、残り二氏が比例復活という流れが続いてきた。

そして、県内の一部政治家や財界は、國場氏と下地氏の立候補により保守分裂が引き起こされ、結果的にオール沖縄を利しているという指摘があり、2017年衆院選後は、たびたび下地氏の自民入りがうわさされてきた。

 そもそも下地氏は、1996年に自由民主党から初当選しており、当選同期との食事会に参加するなど、自民党との縁は今も強い。

その後沖縄1区での公明との選挙協力に不満を持ったことから無所属で出馬、その後は地域政党そうぞうを設立し、県内で独自の存在感を築いてきた。民主党政権下では国民新党に所属し、大臣にまで上り詰めている。

その後2012年の総選挙で敗れ議席を失った後、沖縄県知事選に出馬、そして息つく間もなく維新入りし、2014年の選挙で政界復帰を果たした。

 このように、下地氏は政党そうぞうをはじめとする独自の地盤を武器に、様々な政党に陣を借りる形で当選し、影響力を発揮してきた議員といえる。

そんな下地氏を語るうえで外せないのが、「菅義偉官房長官」である。

現在でも親密な関係を築いている両氏。ただ仲がいいだけでなく、2018年の沖縄県知事選前には菅氏は異例の行動をとっている。

30日の沖縄県知事選で佐喜真淳氏の支援を求め、日本維新の会県総支部の会合を訪れた菅義偉官房長官。沖縄政策の節目節目にアドバイスをくれたのは当選同期の下地幹郎衆院議員だったと持ち上げた。

 「(佐喜真氏は)まだ知名度不足で(選挙は)これから。未来に向かって国と県が一体となって進むことができるようお願いしたい」と菅長官が協力を求めると、出席者からは「下地衆院議員が1区から当選できるよう、なんとか体制づくりができないか」と要望返し。

 下地衆院議員は「誤解されるようなことを。まともな質問をして」と慌てたそぶりを見せるも、菅長官も「なにか仕掛けてるんではないかと思ったんだよな」とにやり。「いずれにしろ、しっかりさせてもらう」と煙に巻いた。

 

このように、県知事選前には自党の國場議員を差し置いて県知事選の勝敗次第では下地氏が国政与党統一候補として出馬するのではないか、という空気がすでに出来上がっていたのだ。実際、菅氏は自公維の三党間の選挙協力を勝利の方程式と呼んでいる。

さて、この事実を踏まえたうえで今回の1000万円問題を見てみよう。下地氏は菅氏との関係を武器とし、自民入りを模索していた。その中で、県知事選で戦果を挙げれば、自民復帰への大きな弾みになるだろう。そうすると、自民現職の國場氏はどうなるだろうか。比例単独のコスタリカ方式ならまだよいが、両者無所属での追加公認方式なら議席を失う可能性もある。何より、こうして公然と自身のライバルと自党の官房長官が蜜月をアピールしていることにいい思いをしているわけがない。

その中で、1000万円の寄附があった。ここで重要視すべきは、寄附当時の県連会長は、その國場氏ということだ。(報告書上では報告書作成時の県連会長である照屋氏の名前がある)

つまり國場氏は、いくら県政奪還のためとはいえ、選挙では自分のライバルとなる政党に1000万円寄附することを決めたということになる。その1000万円を元手に下地氏が大活躍すれば、沖縄一区統一候補に下地氏がなるのは確実となり、國場氏は一気に不安定な身分になる。それでも、國場氏は自らの意思で1000万円を寄附しただろうか。

ここで再び影をちらつかせるのが菅官房長官だ。普通ありえない維新への1000万円の寄附も、菅氏と下地氏の関係を考えれば納得がいくのではないか。菅氏が、下地氏の自民入りを後押しするための功績づくりのために、1000万円を県連を通して寄附させた、これが真相ではなかろうか。

そして、そうなると、当時の沖縄県連が、その菅官房長官の思惑を拒否できる力を持たない、官房長官の犬ともいえる状態になっていたことになる。

実際、県知事選惨敗後の沖縄3区補選では、県連は菅隠しともいえる異様な行動をとっている。

今月23日の党県連大会に提出された知事選総括では「党本部(官邸)の沖縄県民の機微な感情の理解不足が表れた」とまで踏み込んだ。

 島尻氏の選対幹部は「安倍晋三首相の応援も求めない。街頭演説は人が呼べる小泉進次郎厚生労働部会長だけでいい」と言い切る。選対本部長を務める沖縄市の桑江朝千夫(さちお)市長は24日、菅氏の応援について、記者団に「われわれから要請していない」と説明した。


県知事選の際も菅氏が金や人材を惜しみなく投入する一方、ポスター貼りが完了していないなど、現場では疲弊が目立っていた。官邸が主導で選挙をする中、県連の我慢がピークに達したといえるだろう。

そのような官邸主導の選挙戦の一環として、県連会長の立場が不安定化することなどおかまいなしの維新への1000万円の寄附もあったのではないだろうか。

 そして、県知事選で惨敗した後も、菅氏はことあるごとに下地氏の復党を模索してきた。

2019年中には公明との和解が成立したという話も流れ、経済界の大物が支援を表明したということも聞く。経済界の後押しを得て、下地氏は1区統一候補への道を順調に進んできた。

 だが、今回の件はすべてを吹き飛ばした。そして、下地氏の影響力低下はそれすなわち、菅氏の沖縄での足場の崩壊を意味する。沖縄県連が菅隠しに躍起になり始めてもそれでも今もなお沖縄への執着を燃やす菅官房長官、彼が有している大きな二つの手札のうち、残るのは経済界だけだ。菅氏にとっては大きすぎる痛手だろう。

そして、岸田派の國場氏を中心に、官邸中心の選挙戦から脱却し、辺野古も隠さずに訴えるようになった自民沖縄県連にも、宮崎氏の100万円問題を抱え、見通しは明るくない。

かつてオール沖縄を震え上がらせた自公維の協力タッグが蘇る日は、来るのだろうか。

2 京都市長選三陣営の勝利のカギは!?

 古都を舞台として、間もなく大戦の火ぶたが切られようとしている。2月2日投開票の京都市長選に出馬を表明している有力三氏。彼らが重視すべき戦略とは何か。

Spread Voterでは、過去の比例得票や出口調査から、政党ごとの基礎票を割り出し、今後各陣営が注力すべきポイントを探った。

〇門川陣営

現職である門川陣営。京都での出口調査において自民は40%近くの支持率を記録し、共産含め他の政党の追随を許さない。それだけみると、自民票を固めれば勝てると思われるかもしれない。だが、実際の基礎票は共産を突き放すほどではないのが実情だ。

 ここでポイントとなるのは、無党派層の門川市長への支持がいかほどのものかということだ。福山氏、村山氏と市政改革を訴える二氏相手に、不祥事も多くあった門川氏がどれほどの支持を得られるのか。現状、組織票を固めていく以外に勝利への近道はないだろうが、共産市政阻止が第一の京都財界は、情勢報道によっては、一気に村山氏に票を流す可能性もある。
 とにかく、情勢報道で優勢に立ち続けることが重要になってくるだろう。

〇村山陣営

村山陣営は、今回の市長選のキーマンとなる存在である。今回の選挙において、もっとも票数が読めない陣営だ。市民党路線を貫くことに成功している一方で、政策は村山氏の独自色が強く、旧来の保守層に響くかどうかはわからない。争点争いにおいてははやくから市民受けのいい「オーバーツーリズム問題」を掲げ、それについての著書が市内の本屋でベストセラーになっているという情報もある。現状、ステルスで動いているであろう維新市議団がどれほど自党支持層を固められるか、そして自民票をどれだけ削れるか。自民票を削ることができれば大きな嵐を巻き起こせる可能性もあり、それだけに自民支持層を獲得するうえで村山氏の緊縮路線がどれだけ彼らに受けるか、場合によっては柔軟な路線変更も必要となるだろう。

〇福山陣営

福山陣営は、共産票をある程度望めるため、三氏の中で最も得票の最小値が高いといえる。その中でカギになってくるのは、無党派層だ。民主系支持層は首長選挙においては寝る傾向があり、また、常に半分近くが共産候補に流れている。そこを鑑みるに、比例票よりも市長選時の民主票は少ないといえ、さらに無条件で一定数は共産に流れる。そうなると、より無党派でトップに立つことの重要性が増す。

その中で最も大事なのは、「市政マターのみを訴える」「市民党路線」の二つだ。前回の市長選で共産系の本田候補は、「憲法市長」と国政マターと政党色を出し、惨敗した。沖縄などでの共闘の成功体験を考えても、京都市政のもんだいを訴え、党派色を薄めた市民党路線で行くことが重要になる。とにかく無党派受けを考え、特定の色をつけない、みんなが支援できる陣営を目指すことが最重要だ。

京都市長選展望

ツイッター上では現職楽観論がみられるが、おそらくかなりの接戦になるのではないかとみている。現状、三陣営ともに勝機は十分にあり、支持者含めた勝利への執念が重要となる。己の主張、やりたいことより、陣営の勝利を優先できるか。支持者が大人な陣営が勝つだろう。

お知らせ

後日、より詳しい具体的な数字を交えた詳細な市長選分析記事を出します。京都市長選に興味のある方は、@spread_voter をフォローいただけると嬉しいです。

3 編集後記

投票率ジャーナルは、寄稿者を募集しています。政治や社会に関係することから、関係ないエッセイ等、何でも構いません。一緒にカオスな記事を作って行きませんか?単発でも連載でも、少しでも気になる方は、

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