全然おすすめ映画じゃないけどパッセンジャー観てね

全然おすすめじゃない。評価も低い。
嫌われる理由も理解してる。
以下列挙します。

作中の人物がかなり最低な行動をして、それを主軸に話が進んでいくんだけど、別に罰せられない(これがかなりでかい)。
ご都合主義な展開。
これ、結局ジャンルなに?と思わせる構成と演出。
全然感情移入できない登場人物たちの行動。
困難を火事場馬鹿パワーで解決。
それら全てを「あるべきことだった」という、運命論でたたんでしまう雑さ。

わかる。ひどい。でも好きだ!
パッセンジャーの話をしたい!
ネタバレしないようにしますが、
あらすじ程度の話はする。

パッセンジャーどんなはなし?
キャッチコピーは
「乗客5000人  目的地まで120年 90年も早く 2人だけが目覚めた 理由は1つーー。」
そういうはなし!
宇宙2人ぼっちSFですね。

パッセンジャーの良いところ


おすすめはしないけど観てほしくなる

さっそくどういうことでしょう。
まあまあ駄作だとは思うけど、
観たらやたらと語り合いたくなる映画であるということです。

映画として万人受けするかはさておき、
「あの場面、君が主人公だったらどうする?」ってみんなに聞きたくなる。

この返答次第で相手の徳の高さがわかるので
付き合いたてのカップルなど、仲良く観れば良いのではないか。
別におすすめはしないけど……。


恋愛なんだかサスペンスなんだか分かんない恋愛描写

恋愛なんだかサスペンスなんだか分かんない恋愛の物語、とてもすき!
殺人鬼の殺害相手に対するラブとか
ストーカーのそれとか
昔の恋人への執着とか
恋愛へ没頭して変わっていく様とかが
サスペンスフルに描かれる映画、かなり好きです。
でもですね、そういう恋愛の毒っぽいサスペンスフルな部分が、ロマンチックに恋愛っぽく描かれてると、も〜〜っとすき。
『僕のエリ』など。
『ララランド』にもそれを感じます。

『パッセンジャー』はもう、あからさまのそれ。狙ってるやってるそれです。

例えば、いさかいがあってAのもとを離れたBに向かって、Aは姿は見せずに「愛してる」って語りかけるんですね。
「許してくれ、戻ってきてくれ」と。
それがさぁ〜〜まあロマンチックに描かれるんですよ。浸ってるんですよね。
でも……っていう。

例えば、二人の間には秘密があって、観てる我々はそれを知ってるわけです。
さらに、あ、ここ詰めが甘い、ここに触れたらバレちゃうっていうポイントが良いバランスで配置されてる。
あ、あぶない、触れちゃう、バレちゃう……というサスペンス感。

恋の駆け引き的な甘い話ではなく。
ドキドキしちゃうけど、月9チックなドキドキではない。
恋はスリル、ショック、サスペンス……。


恋愛なんだかホラーなんだか

恋はスリルショックサスペンス、そしてホラーです。
以下のくだりは予告でも出てたので話してしまいましょう。

キャッチコピーでは「たった二人目覚めた」となってますが、最初は主人公一人ぼっちなんですね。
豪華宇宙客船で孤独な男。
外には出られない。連絡も遮断されている。
豪華で巨大なホテル、赤い絨毯、孤独感に精神が蝕まれる男、誰もいないパーティ会場とバー、ひとりぼっちのバーで人間ではないバーテンダーに自身の葛藤を打ち明ける日々……。

そうです、シャイニングです!!!!!
パッセンジャー、恋愛SF映画の皮をかぶったシャイニングなんですよね。
ちなみに私のこじつけではなく、出演者もオマージュだと語っているし、バーテンダーの真面目でキュートなアンドロイド・アーサーは、シャイニングのバーテンダー ロイドと同じ服を着ている。
私はライトな映画ファンなので、そもそもシャイニングのオマージュがだ〜いすきなのだけど、
「恋愛SF映画ね〜」と思って観ていたのに、なにやら不穏な気配を感じ……そこで「あ!これシャイニングなんだ!」と気がつくワクワク感ったら。


怒涛のご都合主義!パワー!運命論!

正直ここまでだったら、
手放しで「いい映画!おすすめ!」っていうんですけど。
後半の怒涛のご都合展開がすごい。
これはひどい!

前半で描きたいところ全部終わったんちゃうかな。
雑なプロット!
二人の物語を進めるためだけに現れて消えるあれやそれ!
ひどい!さいこう!好きにやってくれ!
と、私は思うが、苦手な人は多いと思う。

SFあるあるだと思うんですけど
後半の盛り上がりに向けて、
いや無理があるだろとか
都合が良すぎるだろって事が多々起こる。

でも良いのです。
なぜなら、全てはそうなる運命だったのだから……的なまとめかたもさぁ!雑だっつってんの!
も〜〜好き!!!
運命っていえば色々曖昧になると思ってんだろうけど、忘れてねぇからなあれやそれ。

そんな雑な展開の中でも、バシッと決まってるシーンや台詞が色々あり、良いですね。

予告にある「You die, I die!」もきまってた。
壊れてゆく宇宙船も良かった。
壊れる機械がやばい動きをするのが大好き。


時間が長い

上映時間の話ではなく、物語の中で扱う時間が長い。
火の鳥が好きなので、「そして、5万年後……」っていう展開がすごく好き。
火の鳥には遠く及びませんが、パッセンジャーも、120年の旅の30年目に目覚めるわけです。
良いですね。

これはパッセンジャーというか、SFの好きなところ、の話ですが……。

は〜〜こんなもんかな。
パッセンジャー、話したくなるんだよな。
書いてて楽しかった。
別におすすめはしない。
おすすめはしないけど観たら教えて、各位。

#映画 #パッセンジャー


 



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