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オフシャルには書けないこと。偏差値で学校を判断する、すべての方に。

昨日、勤め先の学校法人金沢工業大学が運営する国際高専オンライン進学説明会で司会・進行をつとめた。

毎回好評を博している「学生による活動紹介」では、一年生の白石さんが「The robots I made at ICT」というタイトルで国際高専に入学してから取り組んできたロボット製作について全編、英語でプレゼンを行った。
学年でいえば高一に相当する一年生、入学後8ヶ月間でのこの成長ぶりは立派なものだ。

学生への質疑応答の時間では、チャットで出された質問に1、 2年生が答えた。今回はこのときの話題を少しだけ、ご紹介したい。「言いづらいかもしれませんが、何か不満がありますか?」という質問に、ある学生が「偏差値」について話したことがとても印象に残った。
「国際高専になってから私達は模試を受けていません。偏差値は金沢高専時代のものが残っているだけ。国際高専には学力が高い学生もたくさんいます。単に偏差値が低いと言われのが残念です」といった趣旨の発言だったと思う。

これは深刻な話だと思った。
偏差値というのは意外にご存知でない方が多いのだが、学校が出すものではない。
大学でいえば、河合塾やベネッセ、駿台予備学校などが行った全国模試の結果から、模試を受けた学生がどの大学に合格したか合格率をもとに算定しているもので、その学力の学生しか入学していないという意味ではない。
ただ大学は歴史があり、全国レベルの評価も定着していて、県内でいえばトップ進学校からも毎年多くの受験がある。金沢工業大学でいえば併願されていないのは東京大学ぐらいで、実際は学力が高い学生も多いのが現実だ(逆におたくはレベルが高くて、と言われるることも経験上あるほど)

これが高校受験となると全国レベルの統一模試は存在しない。
それなのに何故か偏差値という出どころ不明な幽霊のような数字が世の中に存在していて、たまにSNSなどで国際高専の偏差値が話題になっているのをみると、???となってしまう。

考えて見てほしい、高校の3年間で学ぶ数理を高専では2年間で学ぶ、しかも微分積分も英語で学ぶのだ。学生に言わせるとかえって日本語で試験問題を出されると分からなくなるぐらい、世界標準の英語で、しかも米国流の学び方で学んでいる(公式は暗記する必要はなく、公式集は試験の際に配布され、関数電卓で解いていく。赤点も高校は40点だが、高等教育機関は60点。言ってみれば大学と同じことをしかも国際高専では英語で学んでいるのである)。

しかも、学生は1 、2年生から様々な才能を開花させている。

皆さんに問いたい。

あなたは原稿も見ず、すべて英語で30分、自分のやってきたことを熱く語れますか?。英語でAIや微分積分やプログラミングについて外国人と議論ができますか? 物理や化学、生物などの問題を英語で解けますか?
しかも国際高専では中学卒業後、わずか数ヶ月でやっていることなのだ。

そもそも英語スピーチコンテストで全国優勝した学生やCADコンテストで最優秀を受賞した学生、電気学会U21学生研究発表会で最優秀を受賞した学生、時間を惜しんで日曜もロボットづくりに励む学生、などなど情熱を傾けて活動に取り組んている学生たちに失礼ではないですか?

公式には書けませんが、学生たちの不満を代弁して書いてみました。

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