常葉 紫水

89年生まれ。 誕生石はエメラルド、誕生花はヤマツツジと山吹。 音の徒。元歌い手、元舞…

常葉 紫水

89年生まれ。 誕生石はエメラルド、誕生花はヤマツツジと山吹。 音の徒。元歌い手、元舞台人。 現在は趣味の範囲で、けど周りがそうさせてくれない。 気分は隠居したほけほけ御老体。 延々と書き連ねたり、星に触れたり、ビーズを編んだり。 1次2次無差別。 心身ともに長期療養中。

マガジン

  • 人生振り返り航海

    常葉 紫水のこれまでを時系列ばらばらに徒然していくところ。 この世界に優しさも温もりも慈悲も存在しない。

  • 思い立ったが本番

    ほんの拍子にアイデアロールするとだいたい数時間は持ってかれるよね、といった話。

  • Qyow cee telcka

    『音の話』。その名の通り音楽に関するものを綴じるところ。

最近の記事

緑色の世界

緑の手、という言葉があるらしい。 植物を育てるのが上手な人のことをそう呼ぶのだという。 人によってはまるで魔法のように視えるその世界の持ち主を、私は1人知っている。 その人は、いつもなんだかんだとぶつくさ言いながら几帳面に花鋏を持って世話をしていた。 腕が使い物にならなくなると言いながら、家の半ばまで響く剪定鋏のばちんという鳴き声とよく一緒にいた。 丸い剣山に咲いた花々や木々を活けて玄関先に設置したり。 わっさりと咲いた大輪の紫陽花や百合を向日葵を、朝早いうちに庭に出て間引

    • ファンの振舞いは大事だよねという話

      食べ物に限らず、誰にだって好き嫌いというものはあると思う。 個人の意見としては、人間である以上どうしても合うものあわないものというものは何かしら必ずあるものだと思っているのでそれぞれ個々で心地よい選択をすればいいと思っている。 それが全てだと他者に持ち出したり強制したりしない限りは好きなように選り好みしていいだろう。 今回連ねるのはそんな話だ。 【作品の品格はそのファンを見れば一目瞭然だ】というところがある。 未成年者のやらかしたことが親の責任とされるように、ファンの起こ

      • 今も言われ続ける実親アカン語録

        去年の夏頃にこちらがりついーとで回ってきた。 ( わぁ~全部言われたことあるし今も言われる~ >(°ᴗ° 紫) 後半で連なっている思想は横に置いておくとして、このついーとのツリーに挙げられている言葉はほぼ全てコンプリートである。 特に「楽させろ」と「恥かかせるな」と「あなたの為よ」はいっとうよく聴き続けてきた耳慣れた言葉たちだ。 そうか……こういうことは多くの場合言われないものなのか………。 私の両親はどちらもいわゆる毒親に分類されるのだけれど、その中でも実父は何もしな

        • 地元の方言を話者なりに思い返してみた話

          少し前に大阪弁レベルみたいなネット診断テストがついったで流行っていたらしく、『来ないの大阪弁は「けーへん」が一応正解です』といったりついーとをタイムラインで見かけた。 曰く、 「きーひん」は大阪北部の一部や主に京都系の言い回しで、 「こーへん」は主に兵庫の方だったり、共通語の「来ない」と「けーへん」がミックスして出来た比較的新しい言い方らしい。 現代は人の行き来も頻繁なので大阪の人でも全部使いますよ、と締め括られていた。 このときふぉろわさんが流行りに乗る中私は自分も当該

        緑色の世界

        マガジン

        • 人生振り返り航海
          4本
        • 思い立ったが本番
          2本
        • Qyow cee telcka
          1本

        記事

          速記形式───譜面の話

          私の創作は1次2次問わず全部共通なのだけど、唐突に頭の中で完成品が脳内放送始めたものを1つずつ発掘し分析して拾い上げながら、現実世界でも同じ質量になるように形にしていく、いわゆる『下りてきた』『降ってきた』と言われるタイプだ。 ただし記録として残せない、録画して撮っておけない鬼仕様なので、この脳内放送について都度何かしら記録が残せなかったらそれで終わりになる。 2度と再現できない一期一会状態が常である。 しかも「完成品」なので、降ってきたのが歌モノだったりすると歌詞とメロデ

          速記形式───譜面の話

          祖父の消息───父方の祖父の話

          私の父であるその人は、自分のことを語らない人だ。 前記の通り、母であるあの人はいつだってそれはもう事細かにたっぷりと語ってくれるので母方の話には事欠かないのだけれど、父方の話を私はとんと聴いたことがない。 そもそも自身の話すら話題に上がることはほとんどないので、それ以外となるとお察し状態である。 私が識っている父のことといえば、 海辺の街の生まれだということ、 海に落とされてはブクブク溺れつつ泳ぎを覚えたので泳ぐのは苦じゃないこと、 上のきょうだいに姉しかおらず、父は末

          祖父の消息───父方の祖父の話

          祖父の面影───母方の祖父の話

          私が産声を上げるずっとずっと昔に亡くなった母方の祖父は、謡曲に長唄、書にお琴にヴァイオリン、果ては自分で家まで建てるなど、1家に1人いれば安泰のハイパー万能人間だったらしい。 実際、母は祖父の建てた家で生まれ育ったという。 今でもその家は存在していて、当時急行扱いだった電車越しに見たのを憶えている。 丸い眼鏡をかけた壮年の男性が、自身の背丈の7~8割ほどはあるだろうお琴を抱えて立っている。 少し褪せて茶色味を帯び薄くなったモノクロ写真を手に取り眺めながら、それは大事そうに触

          祖父の面影───母方の祖父の話