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BizOpsは何者にもなれる~キャリア志向編~

BizOpsに限らず、経営企画や情報システム部門といったキャリアを歩む者にとって、切っても切り離せない悩みが

キャリアを今後どうしていくべきか。

そんなキャリアの悩みについて、BizOpsに特化して今回は記事を書いてみようと思います。


BizOpsは業務範囲が幅広く、様々なスキルを使い業務を実施していくポジションです。

仕事をしながら、ふとキャリアに疑問を抱く方も多いのではないでしょうか?


BizOpsの場合は、職業柄ジェネラリスト傾向が強くでます。

これはBizOpsが
様々な部署・役職の人と話をして取りまとめ、
実際にIT等を使い課題解決を実施しつつ、
定着や運用まで考える
という包括的な動き方をしているためです。

「包括的な動き方をしている」「ジェネラリスト」という言い方をすれば聞こえはいいのですが、委細構わずいうならば

なんでも屋

というわけです。

満遍なくそつなく業務ができる。
ですから、個人レベルのキャリア形成においてはこんな悩みを抱えることになります…

  • 様々なことに対処するため、いろんなことができる反面、器用貧乏になりがち

  • マーケ/営業/CSの業務のことは理解していても、実務者ではないため顧客への価値提供となると不安が残る

  • ITツールの使い方は理解しているものの、エンジニアではない

  • ベンダーと一緒にやってきたけど、SIerが手掛けるほどの大きな案件は社内に中々存在しないため、ベンダーマネジメントのスキルをがっつり身に着けているわけではない

などなど、30代、40代の方々は「次どうしたらいいのか・・」といった苦悩に駆られたりします。

大局としてのBizOpsのキャリアパス

そんなBizOpsのキャリアパスをどうにか説明できないものだろうか…と考えてたところ、佐伯 葉介さんの本「Salesforce運用ガイド」の図が参考になる!

ご本人から利用許可をいただいたので、こちらに写真を撮ったものを掲載します。

佐伯葉介著「Salesforce運用ガイド」P211

詳細は本の内容を読んでいただきたいのですが、私自身の意見も挟みつつ、かいつまんでまとめてみました。


まず、BizOpsを始めとしたxOpsは業務範囲が広い

そして業務のオペレーションを解像度を高く捉えており、技術的にもある程度明るいということが言える。

なので、以下のようなキャアパスに分岐すると考えられます。

  1. IT領域のスキルをさらに伸ばし、データ経営を推進していく者 → CTO
    ※延長線上にはCDOやCIOもあるかな?と思います。

  2. P/Lの強化を目的とし、スピード感をもって施策を実行する者 → COO
    ※ 延長線上にCROも企業によっては存在。

  3. B/Sの強化を目的とし、全社最適の視点から施策を実行する者 → CEO

※個人的にはSalesforce管理者はBizOps/SalesOpsの一部と捉えており、ほぼイコールであると認識しています。

上記の図で示されている通り、会社内で考えると「ジェネラリスト×マネジメント=経営」という一つのルートが浮かび上がります。


「BizOps×マネジメント=経営ルート」の実際

マネジメントと一口に言っても多種多様な内容を包含しており、難易度も非常に高い。

経験した人はたくさんいるけれども、極めたという人はほぼいないと思います。

また、「ジェネラリスト(=BizOps)×マネジメント=経営」というルートが見えてくるとは言っても、そのルートを進むにあたっては大きな障壁がいくつかあります。

まず、経営者(会社側)からの視点で見たとき

  • 営業

  • マーケティング

  • エンジニア

  • 人事採用


といった事業に直結している部門でパフォーマンスを発揮した人が経営候補となりやすい。

売上や利益に直結する部門が優先となるのは仕方がないと思います。


さらに、会社自体に不景気が来たとき、事業を立て直すための矛先はBizOpsを含む横断型部署やコーポレート部門といった「売上に直結しない部門」に向かいやすい。

実際、部門横断型の部署やコーポレート部門は売上の予算を持っていないため、真っ先に組織再編や役割変更の対象となります。

BizOpsの部署が、これまで通りにずっと存在し続けると考えてキャリアプランを考えるのはリスクでしかありません。

ライフステージの変化に伴う長期休業(育児休業、介護休業等)を取得する場合、復帰する頃には部署自体存在してないかもしれません。

つまり、BizOps×マネジメント=経営を目指すのはかなりの「狭き門」
覚悟を持って進んでいく必要があります。

個人にとってのBizOpsキャリアパス

BizOps人材の強みは「ジェネラリスト」であること。

  • ある程度の業務範囲をオペレーションレベルまで理解し、仕組みに落とし込み、実現できる能力

  • データの流れを理解し、蓄積することで経営者や現場に対してデータ経営を推進できる能力

  • 改善をプロジェクトとしてとらえ、推進していく能力

  • MTGを設定し、準備した後ファシリテーションを懸念点と案を提案し、決めきる能力

  • 他の部署の方や上層部と会話が可能なコミュニケーション能力

数えきれないほどたくさんのポータブルスキルを持っているのがBizOpsなのです。

掛け合わせ次第で、ありとあらゆる方面に歩むことができるのがBizOpsキャリアの魅力とも言えると思います。

そんなBizOpsがキャリアパスを拡大していくためのヒントをいくつかご紹介してみようと思います。

また参考までに、マリモン執筆の記事もぜひご覧ください。
未経験者(営業事務)がBizOpsになる、一個人のキャリアに対する向き合い方の実際をみていただける記事です。(ストーリー継続中)

とはいえ、方向性が欲しいところだと思います。なので私はどうしたらいいのか?を考えるための方向性の案を何パターンか、記載します。

【その1 社内編】ビジネス現場の経験で、仕組みと現場感覚両輪を身に着ける

BizOpsは組織横断型で動くことが多い職務。
その分、各組織の実務を経験していないことも多いはずです。

どこかの部門と兼務することで、実際のビジネスの現場に出る経験を積むことが一つの重要な経験値、キャリアの選択肢を広げるヒントになります。

実運用しながら、スピード感をもって現場で改善をし続けるMOps/SalesOps/HROpsのような存在として動いてみる。

特に図の上部、基幹系システムに該当する部分の実務をこなすのがより強力な力になります。

ビジネス現場の方々と一緒に汗を流し、問題点を発見して解決していく。

これによりこれまでの知識でしかなかった業務に、リアルな経験が伴うようになります。

【その2 社内編】ビジネスアーキテクトとして、技術/データ領域に進出してBizOpsの専門家となる

Salesforceやkintoneなどの武器を手に入れたその次、データが蓄積されてきます。また自分が使っていないデータを連結して事業のある程度の範囲のデータが見たい!と言われることもあります。

複雑化していく業務を整理しながら、自社にとってどのような形のITシステムを組むべきか、大局観をもって形にし、実現できる。

ひいてはデータを蓄積し、経営に活用できるように仕組み化する。
データマネジメントやITアーキテクトの領域に踏み込み、会社全体のビジネスプロセスを設計、実現していくプロフェッショナルになっていく方向性もあります。

最終的に「この人に相談したら何でも何とかしてくれる」となるような人物を目指す形です。

・今度事業を買収するんだけど、社内とどう業務的に接続したらいいか?

・IPOをN年後に目指すことにした。統制を検討しなければいけない。どのように実現したらいいか?

・グローバルでの事業を試してみた。ようやく軌道に乗りそうだから真剣に社内のプロセスとの融合を果たしたい。どうしたらいいか?

といった相談が舞い込むようなイメージです。

【社外編】他社のBizOps業務を手伝うことで知識と実践の幅を拡大

副業でも無償でも構わないので、他社のBizOps業務を手伝ってみましょう。

他社の業務に入り込んで一次情報に触れることで、自社との共通項や違いをより具体的に認識できるようになります。

これを複数社で実践することで、BizOpsとしての熟練度が上がっていきます。

【社外編】新規事業を手伝う

自社事業にある程度近い(ビジネスモデルが同じなど)領域の新興企業(ベンチャーなど)を、事業者として手伝ってみましょう。

新興企業としては、少しでも業界に対する知見のある人が欲しい。

新興企業からするとベンチマーク先となるビジネスモデル、オペレーション設計を熟知しているBizOpsが、ほんの少しでも手伝ってくれることはかなり大きな手助けになります。

もちろん、ビジネスのスピードがとても速いので忙しくはなります。

しかし、自社と比べてまだビジネスがスタートして日が浅い企業で、立ち上げ初期段階からビジネスに関わることで、自社ではできない新たなチャレンジもできるはずです。

自分で1人会社を作ってみる

実は20万円程度あれば、自分で会社を立ち上げることができます。

事業も何もかも自分の思い通り。

実際に経理業務も自分でやると、会社全体のオペレーションがよくよく理解できます。

面白いもので、たとえやりたい事業がなく始めても、会社を勢いで作ったら何かしら事業をしたくなります(笑)

コンサルでもライター業でもなんでもいいです。
マーケティング、営業、契約、仕入れ、納品、経理処理、着金・・
この一連の流れを自分でやる。

自分で会社を作ってみると「会社とは一体何か?」という問いに当事者としてぶち当たることになります。

この経験をすることで、経営者目線を持つBizOpsとして一皮むけること間違いありません!


私は、最終的には全員がプロのジェネラリストとして個人事業を営むことで、当事者意識をもって会社に依存しない思い通りの人生を歩んでほしい。

BizOps自体会社から評価がしづらい業務領域だと思います。直接的に売り上げにつながるわけではないが、支えているような存在。数字での評価は間接的になる。会社の評価が常にいいとは限りません。
そしてコミュニケーションを取る頻度も高いBizOps。源氏的な問題としてカウンターパートとの人間関係の問題も大きい。

なので自社という器で生きていく!という視野でなく、自分の好きな人と、好きな働き方、好きな時間、好きな場所で・・・結果(表か)は売上や利益という形で定量的に定まります。

だからこそ、私はBizOpsのコミュニティを立ち上げました。

BizOpsのノウハウを発信・流通させるとともに、コミュニティに参加した人が能動的に情報を取れる場となり、コミュニティメンバーの力も借りながら理解を深め、できることを増やせるようになるといったサイクルを回したい。

そしてサイクルが回り続けることで、最終的に各個人が自立して歩けるようになるといいなと。私も含めですが。

自立するまでには非常にかかるでしょう。コスパとかタイパという言葉が氾濫していますが、まったく逆の考え方が肝要。
まずは信頼を勝ち得ることが肝要。コミュニティで各人の交流やLTなどの発表機会を作り、その内容に通じて、「この人にお願いしたい」「この人に会いたい」と思ってもらえるような場を提供していきたい。

そんな想いも込めています。

まだまだ形にするのはこれからですが、1つ1つ作り上げていく面白味を感じながらやっていきますので、温かい目で見てらえると幸いです!

参考までに、声がけして初めて飲んだ時のレポートはこちら!


noteのコメントでもTwitterでのDMでも構いませんのでご連絡ください!

それではまた!

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