見出し画像

藤井七段は藤井八段にはなれない?強すぎるゆえの呼称

6月1日に将棋連盟より、以下のような発表が行われた。

https://www.shogi.or.jp/news/2018/05/post_1694.html

昇段規定改定のお知らせ (八段昇段の改定)
このたび八段昇段規定の一部改定をします。改定部分は下記の通りです。なお、本規定の施行日は2018年6月1日です。よろしくお願いいたします。
【公益社団法人日本将棋連盟 昇段規定】
八段昇段条件
改定前
竜王位1期獲得
順位戦A級昇級
七段昇段後公式戦190勝
改定後
竜王位1期獲得
順位戦A級昇級
タイトル2期獲得
七段昇段後公式戦190勝

昨今の藤井聡太七段の活躍が目覚しく、「おいおい藤井君のための改定かよ!」というツッコミもSNSなどでちらほら見かける。

ちなみに1年9カ月前には藤井聡太四段だったのだが、どのように七段に昇段したのか確認してみよう。

2016年10月1日 四段
2018年2月1日 五段
(C級2組10勝0敗の1位につき、C級1組昇級の条件達成)
2018年2月17日 六段
(朝日杯オープン戦優勝につき全棋士参加棋戦優勝の条件達成)
2018年5月18日 七段
(竜王戦5組ランキング戦連続昇級で昇段)

もし、朝日杯とC級2組の対戦スケジュールが微妙に違っていたり、1敗でもしていたら現在も六段だった可能性があるため、そういった意味では運がいい。
また、将棋は勝ったり負けたりが当たり前で、通算成績も5割に収束するのが一般的だ。※羽生竜王は現時点でも7割という化け物
そのため、ずっと勝ち続けることが難しく、勝ち数以外の昇段の可能性を迎える一局は年に1回あるかないかだ。しかもその1回ですら、たどり着くまでに相当な対局をこなし、勝ち続けなければならない。
藤井聡太七段ばかりに有利なシステムではなく、本来達成することが困難であり、昇段に見合う条件であることは知っておいてもらいたい。

藤井聡太七段は、八段にはなれない?

今一度、八段の条件を見てみよう。

竜王位1期獲得
順位戦A級昇級
タイトル2期獲得
七段昇段後公式戦190勝

どれかをクリアすれば、八段になるのだが確実性の高いのはやはり、「七段昇段後公式戦190勝」だろう。昨年の藤井聡太七段の成績を考えると、最短で3年と少しでクリアすると思われる。(60勝×3年→180勝)

しかし、現在破竹の勢いで活躍する藤井聡太七段が「3年間タイトルを獲れない」ということは考えにくい。
今年度、羽生竜王を破れば八段。もしくは別の棋戦でタイトルを獲得、翌年防衛。それだけでタイトルが取れてしまう。(本当はとてつもなく大変なことだが)

そうなると、、、、藤井聡太八段とは呼ばれません。「藤井竜王」や「藤井王位」などタイトル名で呼ばれることになります。段位で呼ばれるのは、七段が見納めであると考えられます。

羽生竜王が段位で呼ばれていたのはいつまで?

羽生善治竜王は19歳の六段の時に竜王戦を優勝し、羽生竜王となる。翌年、谷川浩司九段に敗れ防衛できず、一時無冠として「羽生六段」となるが、同年棋王位を獲得する。そいて、そこから20年間何らかのタイトルを持っている状態が現在でも続いている。そのため、羽生七段、羽生八段は幻となる。
ちなみに羽生九段は現時点でタイトルが無くなれば見れるが、将棋ファンとしては観たくない光景であろう。

藤井聡太七段が段位で呼ばれるのは七段まで

加藤一二三九段ほどのお歳まで現役で居続けてくれたら、段位で呼ばれる姿も見ることができると思いますが、羽生竜王のことを考えると四半世紀は先のことになるだろう。むしろ羽生竜王よりも一つ多く段位の姿を見せてくれたのだから、喜ばしいことなのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?