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将棋界に新しい風!2017年度の勝ち数、勝率ランキングTOP10は全員20代

将棋の強い人といえば、真っ先に思いつくのが羽生竜王だろう。それくらい「将棋の強い人=羽生さん」というのは一般化しているのは紛れもない事実。では羽生さんと同い年の世代は弱いのか?というとそうではない。以前書いたように羽生世代と呼ばれる最強の世代はいまだに第一線で活躍している。
第一線で活躍しているということは、同時に同じ強者同士で潰しあいをしているともいえる。

■2017年は若手棋士たちの活躍が目覚しかった

藤井聡太六段のブームの影に隠れがちになるのだが、20代の若手棋士たちが現在続々とタイトルを獲ったり、挑戦者としてトーナメントを勝ち上がっている。2017年の各部門のランキングを見れば、20代の若手が活躍していることがわかる。

勝ち数
位 棋士名 数
1 藤井聡太 59
2 豊島将之 42
3 大橋貴洸 41
4 永瀬拓矢 40
5 三枚堂達也 38
6 近藤誠也 35
7 斎藤慎太郎 33
7 高見泰地 33
7 佐々木大地 33
10 菅井竜也 31

勝率ランキング
位 棋士名 率
1 藤井聡太 0.843(59勝-11敗)
2 大橋貴洸 0.774(41勝-12敗)
3 永瀬拓矢 0.769(40勝-12敗)
4 都成竜馬 0.737(28勝-10敗)
5 高見泰地 0.733(33勝-12敗)
6 豊島将之 0.724(42勝-16敗)
7 近藤誠也 0.714(35勝-14敗)
8 千田翔太 0.711(27勝-11敗)
9 増田康宏 0.705(31勝-13敗)
10 佐々木勇気 0.700(28勝-12敗)

ことごとく、20代。
勝ち数や、勝率ランキングは対局数などの自身の順位戦による立ち位置や、シードなどの影響で人によって違うため、強さの指標にはしづらい。また連勝数も運の要素が少なからず絡むので、判断材料とはしにくい。
しかし、単純な勝ち数や勝率は棋士の強さと直結してもいいのではないだろうか。(と思う)

■現在最強の若手世代

ある対局において将棋の解説者(プロ棋士)が

今年は20代の若手棋士が根こそぎ勝ち星を拾っていきましたから、ほんとつらかったですよ。

とこぼしていた。(たしか橋本崇載八段)
その通りで、藤井六段の強さに押されるように、若手棋士の活躍が目立った年となった。古い血が新しい血と入れ替わるように、将棋界にも新しい力との世代交代が起きていることがわかる。

■だからこそ藤井六段の活躍はすごい

藤井六段の強さは、「若手の新米棋士や、落ちぶれた年配棋士から勝ち星を拾っている」というイメージを持つことはもはや難しい。
29連勝した当時は、SNS上などでもそのような声がいくつか見受けられた。

しかし、今年度の連勝ランキングの2位をご存じだろうか?

1位はもちろん29連勝を達成した、藤井聡太六段。
そして2位は、、「藤井聡太六段」である。

2018年になって、勝率ランキング2位の大橋四段(藤井聡太六段と同期でプロデビュー)に負けて以来、名人、竜王、A級棋士、兄弟子、師匠など普通デビュー2年目では勝てそうもない相手を次々と倒し、現在14連勝継続中。

いよいよ、その強さが本物ということがわかってきた。

■谷川九段の若手への叱咤激励

朝日杯において、高速の寄せとして知られた羽生竜王の一つ前の天才中学生棋士、谷川浩二九段が

ただし、20代・30代の棋士に対しては「君たち、悔しくないのか」と言いたい気持ちもあります。

と語っていた。
しかし、若手の活躍を見る限り

いや、くやしくて頑張ってるんですけど、尋常じゃないくらい勝たれてどうしようもない。。

といった心境だろうか。

現在、藤井聡太六段と同じ東海地区出身の豊島八段が王将戦で挑戦者として戦っていたり、永瀬拓矢六段が棋王戦のタイトル挑戦者として戦っている。
あと数年で、羽生竜王と久保王将以外の40代の棋士たちがタイトル戦に登場することすら難しい状況になるだろうと予想される。

■最後に

今、将棋見てないと10年後に将棋ブームになった時に「あの時見ていたらよかった」と後悔することになるだろう。

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