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初めて【大衆演劇】を見たら、”推しとオタクの関係”を目の当たりにした

ししどです。

タイトルの通り、人生で初めて大衆演劇を見ました。

新鮮で色々な意味で面白かったので皆さんにお伝えしたいと思います。

今回観覧したのは、岡山県・後楽座さんにて、たつみ演劇BOXさんの演劇です。
演目はお芝居が「梅川忠兵衛」、ラストショーが「美しき日本」です。


1.そもそも大衆演劇とは
2.感想

・お芝居:恋は人を狂わせる(ネタバレあり)
・ラストショー:推しとオタクの関係(ネタバレではないと思う)


1.そもそも大衆演劇とは

みんなが気軽に見れる演劇(ミュージカルやストリップなども)を全て大衆演劇と言うようですが、恐らく現代では今回私が観覧したような”時代劇みたいに和服で少し昔の言葉遣いでのお芝居=大衆演劇”として認知されている感覚です。

上の記事がわかりやすかったので、時間がある人はぜひ。

今回の演劇は冒頭でもちらっと述べた通り「お芝居」と「ラストショー」の2部制でした。この構成がポピュラーなようです。
途中休憩も含めて全部で2時間半くらいです。

お芝居はみなさんのきっと想像している通り、台本に沿って話が進んでいく舞台。

ラストショーは歌に合わせて演者が舞ったり、太鼓を叩いたりするショーです。
ディズニーランドのパレードに近いと思います。


2.感想

・お芝居:恋は人を狂わせる(ネタバレあり)

初めに。
今回は最近演劇を見ているという友人に連れて行ってもらう形で観劇したのですが、まず友人から送られてきたフライヤーを見て、「果たしてこのポンコツな私に理解できるだろうか…」とちょっと怯えてました。

結果から言うと、それは杞憂でしたね。

もちろん言葉遣いは少し昔のものなので、時々「…?」となるところもありますが、役者さんの表情や動きもありますし話はしっかり理解できました。

しかも今ドキなJ-popまで劇中歌として組み込まれていたり、役者さんのアドリブのクスッと笑えるセリフや、時事ネタなどもあって笑いが起こる場面も多くありました。

さて今回見たお話のあらすじは、飛脚として働く真面目な青年が、偶然出会い一目惚れした遊女と結ばれるために、お偉いさんに届けるはずの大金を横領してしまう…、という感じです。

感想を一言で言うとすれば、恋は人を狂わせるんだなぁ…ということです。

主人公は養子としてやってきた土地で飛脚をするようになったのですが、同じ飛脚の人たちからも「あいつが養子としてきてくれたおかげで助かっている」的な良い評判をもらっているほどガチ真面目好青年です。

それが遊女と結ばれるために横領…しかも250両…(よくわかんないけど多分超大金)
途中、信用していた友人からの裏切りなどもありましたが、それでも横領はよくないのダ…。

まぁでも遊女も主人公に一目惚れしていて、周りからもお似合いの二人と言われていたことはせめてもの救いだったと思います。

そして飛脚の横領なんて重罪ですから、その後主人公は故郷に逃げるも役人に追われ、打首は免れられない状況になります。

逃げた先の故郷で、追いかけてきた遊女と再会するのですが結局役人に見つかり戦うことに。
ここの殺陣のシーンは迫力もあってボルテージあがる場面でした。

どうにか逃げ切ってハッピーエンドかなと思いきや、途中で遊女の顔に役人の攻撃が命中し(!?)、最終的に発狂した主人公は自ら首を切って自害し(!?!?!?)幕を閉じます。

……バッドエンドかい!!!!

思わずそう友人に言っちゃいました。

どうやらこういう人情劇なるものはバッドエンドが多いようですね。
いわゆるハッピーエンドになるのは喜劇と言われるジャンルになるようです。なるほど。

こういう前知識がなかったので、ある意味サプライズ的な感じで楽しめました。

前知識については上記記事を読むのがおすすめです。

全体を通して初めての体験ばかりだったので、終始飽きずに楽しめて満足です。


・ラストショー:推しとオタクの関係(ネタバレではないと思う)

みなさん想像がついているかもしれませんが、舞台設定も衣装も話し言葉も古風というのもあり、見にきているお客さんの層は9割はおじいちゃんおばあちゃんでした。

ラストショーでは役者さんが曲に合わせて踊るんですが、その選曲も演歌やJ-pop(LiSAやB'z)など幅広くて驚きました。

そして何より衝撃的だったのが、踊りの途中で役者さんが舞台の前の方に出ると、見ていたおばあちゃんが舞台前まで寄っていきチップを役者の着物の胸元に入れるではないですか!!!!!!!(思わず太字にしちゃう)

私はすかさず、「嗚呼、推しとオタクという概念はどんな界隈にも存在するんだな…」としみじみ思いました。

よく考えればおひねりとかって相当昔からあるわけで(出典ナシ)、特段変なことでもないのですが。

色々なおひねり形式があるようでしたが、今回はみなさん現金を渡すスタイルだったので余計生々しくてテンション上がっちゃいました。

特に、みなさん封筒に入れたり束にしたりしたお札を着物の内側に入れている中で、諭吉3人を着物の外側にキラキラしたクリップでお客さんからも見えるように挟んでいたおばあちゃん…

俗に言う「札束で殴る」とか「オタクのマウンティング」みたいな雰囲気を感じて興奮しました(?)
※ご本人はそんな意識ないと思うので、100%私の偏見です。

ちなみに、衣装も役の衣装からショー用の衣装みたいな感じのものが多く、着物ドレスみたいになっているものや髑髏の刺繍が入ったものなど、衣装マニアとしても楽しめました。




文章からも伝わっているかと思いますが、総評としてとにかく面白かったのです。

友人がおすすめしてくれた別の劇団が名古屋に来た時は絶対見にいきたいですね。

そして私は前知識ゼロで行ったので新鮮に感じる部分も多かったのかなぁと思います。

みなさんも良い観劇ライフを。

名古屋を中心に活動するラッパー、もといエンターテイナーです。