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2024.03.18

2024.03.18

 他部署の職員がひとり、休職することになった。朝からそんな話を法人の上司から聞いた。
 休職する職員が担っていたのは、私が入職して最初に任されたポジションだ。小規模でお貧乏ゆえ職員を少数精鋭にせざるを得ないの法人なので、最初に任される=簡単、楽な仕事、というわけではない。新人でもそれなりに重い仕事を振られる。それを楽そうとか言ってくる奴がいたら、私は「ふざけんな」の一言くらいぺろっと吐いてしまうかもしれない。とはいえ、忙しくするもしないも自分の匙加減で多少やりくりできるポジションではあるので、楽な面もあるにはある。ただ、うちの法人においてあのポジションは「孤独」だ。同じ立場の人間がいない。法人内はおろか、事業所内にもいない。私は法人の外の人に縋りながら、新人の頃はどうにか精神を保っていた。
 そんな仕事を任されていた彼女が休職することになった経緯も少し聞いたが、とりあえず我々職員に直接の原因はないようだ。しかし、遠因ではあるだろうな、という感じはしている。たまたまだが、彼女の最後の出勤日となった先週の金曜日、途中まで一緒に帰ったのが私だった。ぽつぽつと話をしたが、何も気づけなかった。追い詰めるような、最後、引き金を引くようなことを言ったか……振り返ったが私には心当たりがない。しかし、今の彼女のアンテナに引っかかる言動はあったかもしれない。

 孤独なポジションというのは、穴が空くと代わりがいない。今、うちの法人は急いで代替の職員を探さなければならない事態に陥っている。折しも年度末、1年の内で最も忙しい時期だ。採用活動をしている余裕はない。
 ということで、3月末で退職することが決まっていたこちらの部署の非常勤職員が、急遽その穴を埋めるポジションで続投することとなった。前任者の私ではなかったか……妥当な人事であるとはいえ、少し残念である。



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