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『(簡易な違約とともに書き逸れていく)鶺鴒追跡』報告   *(干潟)

 ☨鶺鴒追跡、(干潟)

干潟とは、海の手前にあるものであり、
山に降って一旦は土や岩の中に染み込んだ雨が、
ちろちろと母乳を探す嬰児の舌のように出口を求め、
地下水から地表へと顔を出し湧水となった香り立つ水の降水が、
集い集って、山の中から発してやがては海へと注ぐ
その手前に位置しているものであり、
海と陸との中間地点として日に二度冠水と干出を繰り返す地域でもある。
しかし、ここで気をつけていなければならないことは、
干潟とはどの海岸にでも幻出するという定型的な地域ではなく、
平坦という過度な緩やかさを必要とし、
外海からの遮断という庇護をも必要とする点である。
湧水の嬰児から、内湾の嬰児へと寝返りをしようとする地点、
海潮の揺籃が干潟ともいえるだろう。

    *
「海岸の地形は、月の引力と地球の遠心力によってつくられる潮の干満により刻一刻と変化する。 潮が引いた時 、平坦な砂地 または泥地が広がるのを見れば、それが 干潟である。干潟は、平坦な砂または泥から成る海岸地形の一つであり、外海から遮断された波浪の少ない内湾や河川の河口域に発達する。潮の干満に伴って 冠水と干出を繰り返す、いわゆる潮海帯と言われる領域でもある。」『干潟の自然史』

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