機械学習に求められる事は精度とは限らない
多くの人は「天気予報」を毎日利用していることでしょう。
「天気予報」はAIと言われる機械学習をソリューションとして活用している実務例です。
天気予報では、降水確率の割合だけでなく、風の強弱や晴れ間のタイミングについて口頭で詳しく解説する事が当たり前です。このように実務で機械学習をソリューションとする際に以下の様な事に気がつきます。
1. アウトプットイメージは「予測」というよりかは「説明」や「解釈」である事の方がある。
2. クラス分類をした際に確率の高いデータのみをアウトプットし分類不可能なデータはアウトプットしない事がある。
3. 機械学習は話題になる事はあっても実際の業務ではBIツールの方が使われがちである。(AIの機械学習は計算手法が複雑である為、具体的にどのような計算がなされているかが理解しづらく、かつその学習モデルを使用して未来予測をされてもデータを元に情報が欲しい人達からすれば100パーセント得たい情報になっているのかも分かりづらい為、元データと処理後のデータを計算しやすいBIツールが用いられる傾向があります。)
※2. 「クラス分類をした際に確率の高いデータのみをアウトプットし分類不可能なデータはアウトプットしない事がある。」とは、例えば、魚とカエルとカブトムシを「水の中にいる生き物」と「虫に分類する生き物」に分類する画像認識システムがある場合、ヒレや背骨がある魚は「水の中にいる生き物」で背骨のないカブトムシは「虫に分類される」。しかしながら、カエルは背骨があり水に浸かる事もあるが両生類のため分類カテゴリから排除されやすく、確率はその分下がり、設定された確率の閾値次第では分類不可能の為アウトプットされない事があります。)
また、目的通りに機械学習システムの開発をし、精度もとても高くて問題のないシステムであるのにも関わらず、最終的には実践投入すらされなかったなどというケースもあります。
それは、精度の高い機械学習システムが必要とされる事も、もちろんあり得ますが、そもそもAIの機械学習や予測の計算手法が複雑すぎる為、提供を受ける側から見ればブラックボックスになりがちである事から機械学習の精度以前にAIそのものが曖昧に捉えられがちなので、今までBI等を使用してきたデータサイエンスの技術者や関係者の様なデータのアウトプットに対し正確さを求める業界では賛否両論あるのが現実です。
しかし、それでも今の世の中は機械学習と耳にすると精度の高いものを作ろうと試みる傾向があり、寧ろ今迄が精度追求のお陰で技術の進歩を遂げたという実績すらあるほどです。
それでもビジネスを含む実務の場面においては、より高精度で優秀な機械学習モデルが様々な実務上の制約によって使われず、そうでない何かが代わりに用いられるというケースが多い現状から察すると実務上のニーズと機械学習の精度とは必ずしもマッチしないという難しい現実を意味しているように思われます。
上記での説明よりAIを実務で求めているユーザーはデータを取り込んでアウトプットされるまでの過程には特に興味がない、もしくはAIに対して不安等の抵抗感がなかったり、提供する側がAIの処理の流れを誰でも分かる形で伝えることができ、それに共感して頂ける方である傾向があります。そうでない場合には計算手法の分かりやすい確実なデータを可視化しアウトプットするBIを勧めると共感して頂ける傾向があります。
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Author: Y.M