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(検証8)職員への「思想チェック」

【ブログ更新日】2022-06-29 17:30:40

市長が、令和4年2月11日に次のようにツイートしました。

社会において「評価」という機能は、効率性だけでなく健全性を担保するために極めて重要です。
ゆえに「職員が 市長 を評価する」制度の導入を考えています。
縦横で比較ができるようになれば、健全で効率的な政治が実現できるはずです。

部下が上司を評価する制度は、民間会社等で行われており、「360度評価」というものです。

通常、課長は部長から評価を受けますが、この制度では部下や関係部署の者が課長を評価し、部長からの評価と併せることで、より客観的な評価が出来るとされています。

しかし、社員が会社のトップである代表取締役社長を評価する話は聞いたことがありません。

代表取締役社長は株主総会において株主に評価されるのであり、不祥事等が起これば取締役会で代表取締役社長を解任されます。


市長は、選挙で市民から信任を受け、不祥事等が起これば議会から不信任決議を受け、自らの辞任か議会解散かの選択を迫られます。

また、市民からのリコールを受けることもあります。

そして、日常的には議会の「監視機能」を受けて業務を行います。

こうした制度によって、日常的に「市長の評価」はなされているのです。

いくら民主的な職場で市長と職員との間に信頼関係があっても、基本的には「職員にとって、市長は人事権をもつ絶対的権力者」であることには違いはありません。

つまり、職員が市長を評価することは、制度的にも実態的にも出来ないのです。


では、なぜ市長は「職員による市長の評価」をしようとしているのでしょうか。


今の安芸高田市では、市長の職員への高圧的態度は目を覆うものがあり、職員は市長の意向を忖度し、身を縮めて業務をしています。

職員への対応が、人によって違うとも言われています。

こうした中で市長が職員に評価を強要すれば、その結果は自明のことです。

正直に評価したら何をされるかわからないと恐怖する職員は、市長を「賞賛する評価」しか出せません。

そして、この結果に満足した市長は、市民に意気揚々とその結果を指し示し、「自分の秀でた人間性、卓越した統率能力と執行能力」を誇示するに違いないのです。

しかし、世間ではこれを「茶番」、「裸の王様」といいます。


そして最大の問題は、職員が市長(自分)をどう見ているかを調べる「思想チェック」になるということです。

きわめて危険な制度で、絶対させてはいけないことです。

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