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UX未経験者が第1回UX検定を受けたらマップが手に入った感覚だった話

この記事は、UXリサーチ/デザインリサーチ Advent Calendar 2022参加記事です。

初めまして、戸山知子と申します。
ウンログというアプリを運営する会社でプロジェクトマネジャーをやっています。

この記事では、2022年8月に実施された第1回UX検定™基礎を受験した時の話をお伝えします。

受験前の勉強方法、受験中に気をつけるポイント、受験後に感じたメリットなどご紹介してます。
文章は不得意ですが、誰かの役に立てば嬉しいです。

自己紹介

さて、私が勤めている会社ではウンログというアプリを運営しています。
「ウンログ」という響きでなんとなく想像がついたかもしれませんが、そのイメージの通り、排便記録をするアプリです。
なので、自分の子供には「カーチャンはウンチの会社で働いてる」と思われています。

「世の中にいいウンチを増やすこと」がミッションの会社であることを考えれば、あながち間違ってないので、訂正できずにいます…。

UX未経験の私がUX検定を受験するまでの経緯

業務上で漠然と感じていた不安

今の会社に入って1年。
プロジェクトマネジャーとして、日々アプリの仕様やユーザーへの訴求を考えたりしているものの、基本リモートワークだったこともあり、実際のユーザーに会う機会がないまま時間が経過していました。
当然ユーザーの解像度が上がらず、ユーザーに対して「仮説」とすら言えない「妄想」だけで仕事をしているような不安がありました。

前職ではQAとしてたくさんのアプリに関わってきましたが、振り返ってみると生き残るアプリの開発会議では具体的なユーザー名やその行動の話が出てくることが多く、ユーザー理解の深さがアプリの運命を大きく左右するように私には思えたのです。
とはいえ、私自身が前職でQA以外の分野に取り組む機会はなかったため、UXやリサーチについては未経験のままでした。

UXリサーチに興味を持ちつつ、今の仕事にその必要性も感じていながら、どこから進めていけばいいのかわからない…そんな状態でした。

リサーチカンファレンスとの出会い

そんなある日、Twitterで「リサーチカンファレンス」なるものを発見。

参加してみたところ、聞き慣れないワードがちらほら出てくるものの、自分の仕事の中で感じていたことにリンクするものがありました。

「これは面白いかも」と思った私は、Twitterでリサーチカンファレンス関連のアカウントを次々にフォローし、ちょっとしたネットストーキング環境を整えたのでした。

UX検定を知ったきっかけ

UXリサーチ界隈のネットストーキングをするようになってしばらく経った2022年6月ごろ。急に「UX検定のシラバス」についてのツイートをよく目にするようになりました。
しかも1人だけのツイートではなく、複数のユーザーから「このシラバスはすごい」「UX関連の知識をしっかり網羅している」との投稿が多数。

「そんなにすごいの?」と興味が湧いた私は、元の情報のUX検定™基礎のページをチェック。
どうやらオンラインで受験できる筆記試験で、費用は一万円ほどらしい。ふむふむ。

UX検定受験前のイメージ

ところで皆さんは「資格」というとどういうイメージをお持ちでしょうか。
私は自分が持っていない物や能力に対してついつい「あんなこともこんなこともできるのかも」と過剰に期待してしまう癖があります。
なので、「UX検定」と聞いてこんなイメージをまず持ちました。

UXにやたら強い架空のマッチョ

しかし、冷静に考えたら筆記試験でそんな能力を測れるはずはありません。
UX検定のHPでも「知識を証明するもの」と記載されています。

本資格の取得によって、UXやHCD(人間中心デザイン)の基本的な概念やその実践方法のアウトラインを理解し、自らの業務に活用するための基礎知識を有することを証明できます。
UX検定™基礎とはより

果たして知識を身につけることで、自分の感じている課題にどんな効果があるのか。
第一回なので合格者はまだおらず、受験のメリットも全貌も定かではありません。
「でもなんとなく第一回合格ってかっこよくない?」と思った私はノリで受験することにしました。

勉強法

試験は100分で選択式100問。
オンラインの受験なので、書籍を見ながら受験することもできそうですが、その方法では全問解答は難しそうです。

とにかく学習推薦図書の4冊を購入し、シラバスに書かれている言葉を調べまくりました。

付箋まみれの推薦図書と、単語の意味を書き込んだノート。
シラバスでチェックがついてるのは調べ終わった単語。


またその中でも特に、自分の実務でやってみたいなと思っていたインタビューに関する箇所は、実際に自分がユーザーインタビューするつもりで、インタビューガイドを作ったりしながら勉強しました。

いざUX検定受験

試験が近くなってから、ふと一点不安が。
オンラインの試験となると、当日トラブルがあった時どうすればいいんだろう?近くに試験官がいるわけじゃない…
あと細かいことだけど、解答しながら「この問題自信がないな。後でもうちょっと考えたいな…」って時、どの問題だったかわからなくなりそう…だって100問だよ?

そんなことを考えてると、事務局から事前に利用環境テストをするようにとの案内が。
さすが!
しかも利用環境テストをしてみると、「後で見直す」機能が用意されている
すごい!(私の心の声が聞こえてたの…?)

当日もこの「後で見直す」機能は大活躍で、試験時間の最後30分は見直し時間に。

そこでふと、小学生の時に塾で言われたことを思い出しました。
「試験で見直しするときは、問題文をもう一回よく読め。『当てはまらないものを選べ』って書いてたりするから」

見返してみると、まさにそのパターンのものが次々発見され、計5問くらい間違った回答をしてました。あ、あぶない…!

12/17に受験予定の方は、ぜひこの観点での見直しをお忘れなく!

UX検定受験後に感じたメリット①

見直しで修正した5問が間違ったままだったら果たして合格してたんだろうか…

結果は無事合格。
さて、合格したことでどんなメリットがあったのかというと、まず感じたのは、言葉がわかることのありがたみでした。

例えばこの文章。

「この辺はどうしてもデスクトップリサーチでは見えないんですよね。なのでデプスインタビューエスノグラフィをすることにしました。」

受験前の私には「なるほど、分からん」という感じでした。

UX熟練者には当たり前すぎて「何が分からんの?」かもしれません。
そんな方は、ウンチについての以下の文章を読んでみてほしいです。

ブリストルスケールで見てもなかなか効果が出ないんですよね。なのでプロバイオティクス食品と不溶性食物繊維を組み合わせてみました。」

どうでしょう。
受験前の私の「なるほど、分からん」って気持ちが伝わってると嬉しいです。

とにかくこんな感じで、UXリサーチ周りの記事や資料をスイスイ読めるようになったことを考えると、UXリサーチ界隈の人たちが言っていたこのシラバスの網羅性の高さがわかります。

UX検定受験後に感じたメリット②

また、業務上でもいい影響が。
勉強の過程で作ったインタビューガイドを社内に見せたところ「ここまでできてるなら、本当にインタビューやりたいよね」となり、実際にインタビュー実施の機会に恵まれることになりました。

さらに、その準備を進める中でとてもありがたかったのは、勉強した言葉をキーワードに自分から調べにいけることでした。
言うなればUXの世界を探索するための地図を手に入れたような感じでした。

まとめ

そんなわけで、UX検定基礎を受験した感想としては、合格したらUX筋ムキムキ!みたいなことにはなりませんが、UX周りで壁にぶち当たったときにどんなキーワードで情報収集すればいいかがわかるので、個人的にはオススメだと思っています。
合格したことで何か優遇されるとか直接的なメリットはまだありませんが、合格するために勉強した内容はかなり役立っています

ただ今の自分には知識だけでは足りないとも思っています。
と言うのも、私はUXの世界をうろつき始めたものの、この世界に全くと言っていいほど友達がいません。
また、今回UX検定をきっかけに、実務でもインタビューまで漕ぎ着けたものの、そこからの分析や改善については壁にぶち当たったまま…(しかもそのまま産休に入ってしまう体たらく)こんな時、気軽に情報交換したり相談し合える人がいたらいいのにな…と寂しく思っていたりします。

「友達になってやってもいいよ」と言う方はTwitterやnoteで気軽に声をかけていただけると嬉しいです。
@shiru0105

来年はUX検定の知識を活かして、リサーチと改善のサイクルを回していくぞ…!

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