「なまら」のこと

大学に入った頃、同級生に北海道出がいました。

「「なまら」って使うの?」と私が軽い気持ちで彼に聞いた時、彼は「いや、そんなに」と寂しく笑って言いました。

当時から既に再放送していた『水曜どうでしょう』を見るなどして、私は北海道に何となく良いイメージを持っていました。
大泉洋さんはじめ、方言をバリバリ使う訳ではありませんでしたが、時たま漏れる北海道の言葉は何だか親しみを感じさせました。

その親しみから私は無邪気にそう聞きました。しかし、彼からすれば、いわゆる標準語からの逸脱を暗に指摘されたと思ったのでは、と今なら感じます。

その後も私は北海道出身の人に、『水曜どうでしょう』が好きだと伝えたりしていました、その時も、どこか寂しく笑って返されたことが妙に忘れられません。

その寂しさの意味は年を追うごとに、伝わってくる気がします。

最近、北海道に行くことがありました。なまら、を耳にする機会はありませんでした。