『マンスフィールド・パーク』3

本編を読了しました。

ファニーは強固な城のようで、しかしその城が巧みな攻め手により何度も迫られ、落とされるのかどうなのかとハラハラせずにはいられませんでした。

大団円はある意味淡々と三人称で描かれます。冷静に収まっていく文体は、読んでいる自分の想像を程よく広げるようでした。

現在、付録の戯曲『恋人たちの誓い』を読んでいます。本編に登場する戯曲ですが、メロドラマ的な感じがやたら目に付くのは本編フィナーレを読んだからかもしれません。

下巻の訳者解説において、ファニー以外の主要登場人物がみんな「自滅」していくという指摘がありました。踏み込んだ解釈だとは思いましたが、なるほどとも思いました。

『ナボコフの文学講義』上巻で『マンスフィールド・パーク』の次に紹介されているのはディケンズの『荒涼館』です。
下巻で紹介されていたジョイス『ユリシーズ』も気になっていますが、どちらかに飛び込んでみたいも思います。