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月の雫

カタン
少ししてバイクの走り去る音がした。
あ・・・手紙が来たんだな。

毎月 一通手紙が来る。
相手は誰に向けて書いているかはわかってはいない。
私はその人が何者なのか あまり解らないまま
毎月受け取る契約を交わした。

毎月手紙を送ってくるサービス。
便せんに印刷されてはいるが 原稿は手書きだ。

朝からずっと 雨だった。
その雨のおとのなかで カタンと
手紙が届いたのだった。

私は比較的 傘を持たないでもなんとかなる方の人だったが
今年は、よく降られている。
ビニール傘を持って出てはどこかに忘れてきてしまうというのを
もう今年は3回もやってしまっていた。
在宅勤務が可能になって 余計に雨の日は出勤しないことも増えていたから
傘自体を持つことが 随分 私からかけ離れたことになっていたのだ

そんなに降ってるイメージはない
ただ今日は朝から 降っているっぽい・・・・
音だけが 私に外の天気を教えてくれた

昼休みの時間にポストから 手紙をとりだし 
読みながら 珈琲を飲む
お返事用のはがきが入っているけれど
今まで書いたことはなかった。

ポストに入った瞬間からこの手紙の存在に気がついていた
そんなことは今までになかったから
お返事のはがきをかいてみようとおもった。
万年筆を出して さらさらと書き始める
はがきの紙質が 万年筆と相性がいいらしく
書いていることが心地よかった。

まだ雨は降っていた・・・。

ふと 梅雨入りっていつだったかと
もう梅雨はおわっていたんだろうか?と考えた・・・

たぶんまだ 梅雨明けを聞いてはいない・・・。

そうだ・・・こうやって 雨音が心に響くのは
梅雨が 月の雫と呼ばれる理由の一つかもしれない
雨音は 心にいろんな感情の雫を振らせてくれているのかもしれない・・・。

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