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美味しいのヒミツって知ってる?

「私と食べると何でも美味しいでしょ?」 

悪戯っぽく微笑んでから、少し目を細める・・・左頬にだけできるエクボも、目を細めた瞬間に消える。

この笑い方をする時は要注意だ。 慎重に応えないと・・・

「う〜ん、何でもは言い過ぎかな? 底上げされる・・・というか あっでも、一緒に食べるのに美味しいと思うモノが似ているのは良いね」

と、わざと少しズラした応えを返して反応をうかがう。

ふふん、と鼻で少し笑って満足そうな表情を浮かべる。 

おっと、80点くらいの応えだったかな・・・ ズラし方も悪くはなかったようだ。

「でも何で、急にそんな事を聞いたの?」

ジャブを打つそぶりもなく、核心をついた質問だ。

「こんな記事を読んだからだよ」

「ふ〜ん、それだけー?」

エクボが出ない方の頬を少し上に上げて、話の先を促される。

「後、ちょっと良いこともあった」

「なあに?」

「この間、君に相談した企画が通ったよ。 プレゼンもうまくいった」

「そかそか、良かったじゃん。 お祝いする〜?」

そう、祝杯を上げるお酒も決まっている。

「ボルドーのクレマンがあったね。 それを開けよう」

「あはは、それを飲みたい口実じゃん」

と言って、目を三日月みたいにして笑う。 左頬のエクボも消えない。 これぞ、THE笑顔って感じだ。

「あっそうだ、ラングルも用意するね。 ぴったりでしょ?」

このチーズには、中央に大きな窪みがある。 君の左頬みたいだね。

おっと、うかつにこんな事を言うと

「こんなにゴツゴツしてないわよ」

と、華麗なカウンターをくらってしまうな・・・
危ない、危ない



※実話・・・とは程遠い妄想デス。

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