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食器先輩

僕が普段使っている食器。
そのほとんどは、僕が生まれるよりも前に作られたものだ。

大半のものは、もう何度も記事に登場している祖母の家の納戸から発掘したもの。
ひとり暮しを始めた頃、食器を買い揃えるのが面倒で、間に合わせ(失礼)に使っていない食器を分けてもらったのだ。

祖母によるとそれらの食器は、
僕の親の結婚祝い品や、それよりも前にいただいたものらしい。
つまりどの食器も、僕より年長だということになる。

食器の模様


これらの食器、何年も使っているので愛着もあるにはあるのだが、いかんせん和風テイストが強い。

シンプルなデザインのものも少しはあるのだが、そちらはほんの少し金属の装飾があるせいで、電子レンジが使えない。

なんというか、それぞれちょっとずつ使いにくいのだ。


ネットや店舗でシンプルでスタイリッシュな食器類を見ると、憧れる。
もし買うならこれかな?と目星をつけているものまである。

しかしそんな僕の浮ついた気持ちを見透かすように、我が家の食器達は一向に割れも欠けもしない。
さすがはベテラン、なかなかの屈強さだ。

またそればかりか、
それぞれスペアまでスタンバイしている充実の布陣。

結局、使えるものがあるのに買い換えるのも気が引けて、今に至る。


明日の朝も
渋い花柄の皿に不似合いなパンを乗せ、
煮物が似合う器にヨーグルトを盛り付ける。

すっかり見慣れてしまったアンバランスな組み合わせを頭に思い浮かべていると、なんとなくこの先もずっと、この僕よりも年長の食器達と付き合い続けていくような気がするのだった。

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