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【地方競馬研究】九州1歳馬市場 回顧


地方競馬研究#5

九州1歳馬市場終了

九州1歳馬市場が6月18日本日実施されました。
セリの様子は下記Youtubeから確認することが可能です。

先日、九州1歳馬市場の概観記事を記載しましたので、本日は短いですが簡単な回顧記事になります。

基本情報

九州1歳馬市場 結果 筆者作成

今年の九州1歳馬市場はかなり好調な売り上げを記録しました。

売却率、売却総額、最高価格などは過去10年以来で最高の成績となり、平均価格や中間価格なども過去10年の中では高い方の数値を残しています。
近年は新馬のセリやサラブレッドオークションなどでも競走馬価格の高騰が叫ばれていますが、九州1歳馬市場でも同様のようです。

過去10年来の記録などはJBISなどが丁寧に纏めていますので、そちらを参照ください。

最高値の1歳馬

スマイルヴィオラの23 筆者作成

今回の1歳馬市場での最高値はスマイルヴィオラの23となっています。

スマイルヴィオラの23は父ネロ、母父メイショウボーラーの牡馬で、母スマイルヴィオラにとっての初仔となります。

スマイルヴィオラ自身は園田競馬場や佐賀競馬場を中心に4年間で46戦をこなした比較的タフな競走馬でした。

本市場では31番、急遽の参加となりましたが結果として一番の高値を付ける形となり、生産者さんはホッとしたのではないでしょうか。

ネロ産駒の特徴

さて地方競馬におけるネロ産駒を確認しましょう。

過去5年間のラニ産駒の特徴 筆者作成

過去5年間の成績を見てみると
・1着:54回(12.7%)
・2着:52回(12.2%)
・3着:38回(8.9%)
・4着:41回(9.6%)
・5着:47回(11.1%)
・掲示板外:193回(45.4%)
と非常に安定した走りを見せています。

頭数にもよりますが掲示板内に入れば賞金が手に入ることを考えれば、賞金で設けることのできる種牡馬であることは間違いないでしょう。

ただ平均出走数は過去5年全体で11走/頭。
1年間に11走というわけではなく、5年間で11走という結果ですので
・活躍期間が短い
・無理の利く体質ではない
といった点が地方競馬には向かないポイントとなります。

現に地方競馬で活躍しているネロ産駒自体は少数で、直近だとペップセが名古屋や笠松にて走っている程度かと思われます。

そういう意味合いでも馬主としては短期間でビシっと走って、賞金を稼いでもらう必要があるでしょう。

佐賀競馬場におけるネロ産駒の特徴 筆者作成

また九州生まれの競走馬の多くは佐賀競馬場で出走します。

ただしネロ産駒については実は佐賀競馬場での出走回数がかなり少なく、過去5年間のトータルでも13走しかなく、そのうち10回は掲示板外と非常に苦戦しています。

逆に得意にしている競馬場としては
・笠松競馬(勝率34%、複勝率52%)
・川崎競馬(勝率18%、複勝率40%)
・浦和競馬(勝率16%、複勝率49%)
などが挙げられます。

ネロ自身はまだ九州に来たばかりですので、佐賀競馬場での活躍を疑問視するようなものではありませんが、過去実績としては東側の競馬場に所属した方が良いかもしれませんね。

なおネロの九州行きについては西山オーナーがブログで語っておりますので、下記に紹介いたします。

母父メイショウボーラーの特徴

母父メイショウボーラーの特徴 筆者作成

母父メイショウボーラーの傾向もネロ産駒と似通っており、およそ半分は掲示板内にくるような成績となっております。

地方競馬に出走している産駒も比較的多く、その中で安定した成績を残せるのは魅力的です。

ただ母父メイショウボーラー産駒も5年間で平均14.7走/頭とタフネスさを補填するような力はなく、どちらかというと慎重に取り扱いながら、賞金を稼ぎましょう、といったタイプになりそうです。

まとめ

最高値の1歳馬を中心に確認してみました。

なお先日私が挙げた注目馬については
・14.メイショウセグレタの23 → 220万円
・18.クライベイビーの23 → 286万円
となりました。

後者のクライベイビーを購買した内田氏はイロゴトシなどを所有する馬主様です。
もしかしたら今回のクライベイビーも最初は中央でのデビューがなされるかもしれませんね。


引き続き、個人的に興味に思った部分をまとめていきますので、応援をよろしくお願いいたします。

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