見出し画像

少なくとも長所


2月17日(土)

5:30に部屋を出て、ピアノの練習に行った。先週の同じ時間より少し明るく、格段に暖かくなっていた。2時間ピアノを練習する。練習している曲の3分の2くらいをさらった。帰りに音源を聴くと、練習している速さより圧倒的に速かった。この答え合わせが好きだ。

午後、舞台を観に行く。映像と照明がリッチに使われていた。身体表現の取り扱いが好みだった。全体的に表現方法が興味深い舞台だった。

レコード店で、母が好きなバンドのレコードを発見した。そのバンドのレコードを探すように言われているのだが、見つけたのは今回が初めてだった。母からは引き続き探すように言われていた。

風呂上がりに、今日観た舞台の原作を読む。やっぱり舞台とは全然違う話だった。観劇後、そんな話だったっけ……? と首を傾げながら帰ったので、すっきりした。もちろん原作が好きだ。でも、この原作をそのまま舞台にしても全然面白くないだろうし、今思い起こせば、あの舞台の話は著者の作風を真似てまとめられていたし、うん……うーん、良かったとは言えないが、なんというか、著者を泉に落として、出てきた泉の神に「あなたが落としたのは金の著者ですか? それとも銀の著者ですか?」と問われ、正直にどちらでもないと答えた結果返された金または銀の著者が代わりに原作を書いたら、あの舞台の話になるだろうね。


2月18日(日)

朝、八百屋で買ったポンカンを食べる。ポンカンは私が柑橘類に求めている食感と味を持っている。食べるといいことしている気になる。

9:30に美容室に行く。なんとなくオーダーに失敗したような気がする。顔周りを少し短くしてもらうべきだったかな。でも、こんなことは美容室直後にたいてい思うことで、そのうち見慣れる。次はいよいよパーマをかけてみてもいいかもしれない。

やらなくちゃいけないことがいくつかあったが、全部やらなかった。ほぼ眠っていた。何もやりたくなかったから、やらなかった。眠りたかったから、眠った。よし。

八百屋で新玉ねぎを手に入れたので、新玉ねぎが出たら必ず作っているスープを今年も作ることにした。今年もおいしかった。これが出たら必ずこれを作る、というものは多くないが、あるとマイルストーンになる。これは去年も作った。私は1年生き延びた。

https://intojapanwaraku.com/gourmet/97536/

風呂上がり、書きかけの小説を全消しして、全然違う話をガッと書いた。前の話よりいい、と思う。私は好きだ。これで今月末の締切に間に合う。ぎりぎりまで毎日読み返しながらブラッシュアップしよう。


2月19日(月)

先週の燃え尽き症候群とは打って変わって、そこそこちゃんと仕事をする。週末で切り替えられたらしい。

週末に着る衣装をクリーニングに出す。雨の日だから25%オフになった。漂白とかシミ抜きとかオプションをつけたが、思ったより安く済んだ。

調味料を入れた瞬間、失敗した、と思った。食べてみたら大惨事ではなかった。


2月20日(火)

暖かい。朝から晩までエアコンをつけなかった。昼過ぎからは窓を開けた。春の匂いがした。小説の続きを早く書きたい。春の物語なのだ。

生けていた紫のチューリップが散る。


2月21日(水)

レコードを梱包する。うちにちょうどい大きさのプチプチと紙袋があってミラクルだった。

友達から頼まれている、『救命病棟24時』の第1シリーズの録画をDVDにダビングする。ダビング開始とともにダビング対象がテレビモニタに出力され、うっかり観てしまった。江口洋介。江口洋介、かっこいい。もともと江口洋介は好きだが、好きゆえに観ないようにしていた。だって、こんなの気が狂わないわけがないし。案の定気が狂う。はあ〜〜〜強くて喫煙者で妻(または彼女)が大好きで妻に関することだとすぐ取り乱して割とすぐ泣く男ありがと〜〜〜!!! 最近そんなの観たな、と思ったら、『ゲゲゲの謎』のゲゲ郎だった。


2月22日(木)

溜まりに溜まった空き缶を処分する。シンクの周りに置いていた空き缶が一掃されてすっきりした。

レコードを発送しに郵便局に行く。対応してくださった局員さんが好みだった。


2月23日(金祝)

朝、ピアノスタジオでピアノを2時間弾く。いつも借りている部屋が埋まっていたので、今日は少し広い部屋を予約したのだった。初めて入る部屋、大きな鏡があった。ピアノの前に座ると、ちょうどその座り姿が映るところにある。演奏フォームの確認か? 演奏フォームの確認とは?
練習している曲をひとまず通して弾けるようになった。あとは弾けていない部分を補強しつつ、テンポを上げていく。

午前中のうちに掃除機をかけ、床をクイックルワイパーで撫で、洗面台を掃除した。資源ごみもまとめた。やりきって昼寝。

午後は『救命病棟24時』の続きを観る。進藤先生の性格と言動と顔が友達に似ている。最終話まで見終わったら、友達に連絡しようと思っている。

その友達と初めて話したときのことと、友達になったときのことを思い出した。そういえば私は、パーフェクトでなくともやり切るところが、少なくとも長所なんだったね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?