見出し画像

構造金物の規格化 木造昔話1

今では当たり前のように使われている木造の金物。規格化されたものの、その後便利な金物が次々に開発され、覚えるのは難しくなってきました。ではいつから規格化が始まったのでしょうか?

木造建物用の金物の企画といえば、JIS A 5531が昭和41年に定められました。これは木造校舎の構造設計標準JIS A3301(昭和31年制定)によるもので、学校建築などややお大きめな建物にも使われる金物を主たる対象としてもので、一般の木造住宅用としてはやや過剰性能とみられ、流通面からも規格そのものが有名無実化していました。 

当時は、金物メーカーの工場は一般に小規模でメーカーは問屋の要求するものを作るため、金物の品質が低下し粗悪品が横行する下地があったと見られている。

昭和49年に(社)日本木質構造材料協会に接合委員会が設けられ、木造住宅接合金物の規格が制定されたのに伴い、この規格に適合する金物を供給する業界の結成が必要となり、昭和51年に木造住宅用優良接合金物推進協議会が設立された。実はツーバイフォー用が中心だったそうですが、後に木造軸組工法用の金物規格が検討されると、熱意のあるメーカー及び問屋が協議会に参加し、規格適合品を供給する機運となってきました。

この規格の作成は、昭和52年11月に(財)日本住宅・木材技術センター(以下住木センター)の接合委員会で行われ、木造住宅用優良接合金物推進協議会(以下協議会)は、これを自らの規格として、これに適合する接合金物を供給することになった。協議会は、その規格に適合するものにはZマークを表示し、他の金物と区別できるようにした。こうして現在も流通する、Zマーク金物が誕生した。昭和53年のことである。

 住木センターの接合金物審査委員会で、メーカー試作の金物が規格に適合しているか否かを調べ、生産工場の施設、管理状況等を調査し、規格適合品が常に安定して生産できると判定したうえで、その工場で作られる金物にZマークを表示することを承認することになった。

 この時点では、かど金物、羽子板金物やひら金物、短冊金物、かね折り金物のなどはあるものの、筋かい金物や、ホールダウン金物、16mmアンカーなどはなかったのです。安定して金物が供給されるようになりましたが、耐震性が求められる建物には性能不足は否めません。その後、ホールダウン金物、筋かい金物などが規格化され、阪神大震災後の1995年に、金物利用が奨励されるようになり、2000年の建築基準法改正で、現在の金物の規定が誕生することになります。 参考)建築技術1979年9月号

サポートしてくださると嬉しいです。 部分的に気に入ってくださったら、気軽にシェアかコメントをお願いします♪