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間崩れした木造住宅の現地図面作成法

割引あり

おはようございます。木造耐震診断をやっている事業者は多いようですが、新耐震基準のものをやっている人はまだ少ないです。先日の下記の記事に書きました難しいポイントがあるので、旧耐震で熟練しているからといって油断は禁物なのです。特に大壁での間崩れは大いに悩むポイントです。基本、一箇所は解体して、どのような構造かを確認したいものです。ある程度の仕様がわかったと仮定しても、間崩れした木造の柱位置を確認するのは大変です。ここでは当社が確立した、方法を記載させていただきます。

真壁は柱の中心間を測定すれば、問題ありません。これは旧耐震でお馴染みですね。測定しなくても目測である程度わかります。900か909(910)かは迷うところですが、数カ所測定して確認すれば、どちらのグリッドか分かります。この作業を忘れると、建物全長が大幅に狂ってきますので、ご注意ください。なお909と910はほぼ分かりませんので、設計者で判断願います(個人的には910のほうが計算しやすいので、910としています)。

問題は大壁です。一番簡単なのは、ある程度精度のあるサーモグラフィーをつかって、柱位置を類推することです。外壁面はかなり正確に分かります。しかし内壁で胴縁があったり、化粧ベニアだったりすると見えないケースもあります。サーモグラフィーは参考資料を探すためにとどめ、きちんと調査することをお勧めします。

どうしても柱位置をある程度正確に記録したいときは、以下の方法・手順で行っています。比較的うまくいっている方法なので、気に入った方は採用してみてください。

①部屋の内寸を、レーザー距離計ではかり、大まかな平面図を作成する。
 壁厚は、12㎝や15㎝などと1種類に仮定して、図面を書きます。ポイントは壁厚を仮定したもので全て書き上げることです。あとで修正が楽になります。手書きで大まかで構いません。

レーザー距離計で測定した寸法をそのまま記入します。


壁厚を一定にして記入します(ここではCADにしていますが手書きで構いません)

②各壁厚を測定します
 ドアの部分などで、壁厚を測定し記録します。スイッチボックスを分解して厚みを確認する、天井裏から確認するなどでできるだけきちんと調査します。そのうえで、柱のサイズを測定します。できるだけ角など通し柱の可能性があるところは避けて、柱のサイズを測定します。


壁厚を測定。柱のサイズを測定しておきます。

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