新築木造の壁量計算の変化 2025年改正を見据えて(1)
新築木造の壁量計算の変化 2025年改正を見据えて(2)
新築木造の壁量計算の変化 2025年改正を見据えて(3)
2025年の省エネ義務化に合わせて、木造住宅の壁量計算が変わるかもしれません。まだ決定ではありませんが、2022年10月28日に「木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準(案)の概要」が発表され、必要な壁量に関する規定案が公になりました。まだ案でパブリックコメントでもない段階ですが、国の本気度が伝わってきます。またまだ手探り状態なこともわかります。
この案では、3つの方法が書かれています。
①個々の建築物の荷重の実態に応じて現行規定より精緻に検証⑨する方法
②簡易に確認する方法(壁量計算)
③構造計算により安全性を確認する方法(壁量計算を省略できる)
①に関しては、建物荷重を算出して、地震力をだし、必要壁量を出すというもの。耐震診断で言えば精密診断法1の地震力算出のものに似ていますね。また品確法の準耐力壁等も加算できるようにし、壁量計算の壁倍率の上限を引き上げることも考えているようです。簡単にいうと地震力に応じた壁量計算ということでしょうか?
②は壁量計算です。ただしZEH等で重量が重くなったことを加味して新しくZEH水準等の建築物(案)という新たな項目を作っています。平屋の場合、重い屋根15㎝/㎡、軽い屋根11㎝/㎡のところ、ZEH水準等では、25㎝/㎡と大幅に壁量がアップしています。軽い屋根の場合は倍以上の壁量が求められています。2階建ての1階の場合、重い屋根は33㎝/㎡、軽い屋根は29㎝/㎡が、ZEH水準等では、53㎝/㎡とこちらも大幅に増えています。壁量計算としてはかなり厳しい数字となっています。既存不適格が大幅に増えそうな気がします。
ちなみにツーバイフォーでも別の表が掲示されています。
③は、構造計算です。これは従来とあまり変わらないようです。構造計算の場合、上部重量が変わってもその重量を加味するだけで計算できるので、壁量計算のように変更する必要がないからです。しかし46条壁量けいさんが不要になりそうな記述もあります。
今回のは、あくまで案です。ただ方向性はだいぶ見えてきたのではないでしょうか?一部で言われているような、構造計算必須といった間違えた情報もこれで消えるでしょう。4号特例縮小なので、今後どのように審査になるのかも焦点になってくるでしょう。
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