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制震金物を妄信しないように

こんにちは。現場が昨日から始まったのですが,猛暑のタイミングと重なり・・・まあ愚痴はこのあたりにして、本題に行きます。

木造住宅の制震金物については、長らくさまざまな意見が出ていました。

眉唾ものの効果を謳うものや、効果が疑問視されるものなど。近年はYouTubeで効果を喧伝しているため、非常にブランド力が高まった物もあります。

特に、一部の制震金物を崇拝するかの意見もあり、注意が必要です。

その効果や仕組みは今回説明しませんが、市販されているものは、対象建物に適していて、理論通りに、正確に設置すれば効果が期待できるものばかりです。しかしあくまで小型の金物なので、過度な期待は禁物です。

木造住宅の耐震で、一番メジャーな建材は構造用合板でしょう。しかし、構造用合板を1つ取りつけただけで、その建物の耐震性が確保できる・・・とは誰も思わないと思います。それは制震金物についても同じ事がいえます。

適正な量を正しい設計で、きちんとした施工を行わなければ効果が発揮できません。大部分の制震金物はある程度の耐震性を確保してから取りつけると効果があるわけで、全く耐震性のないような建物に付けたところで効果が薄い場合も多いです。

私も制震金物を耐震補強に利用することがありますが、主体は通常の構造部材の補強で、制震部材はその補助として考えています。そもそも制震金物が高く、他の方法のほうが耐震性を上げるのにコストパフォーマンスが高いと考えているからです。もし制震金物を使った方がコストパフォーマンスが高く、効率的なら、そちらを選びます。耐震補強は、微振動が減るとか副次的なメリットがあるにはありますが、基本的には住生活の改善には寄与しません。ならできるだけ効果のある方法で、安価にできることを考えた方が良く、制震金物ありきで最初から考えるのは疑問が残ります。もちろん制震金物を最初から排除するのもよくありません。

今年、私が担当している耐震補強でも、制震補強を入れている物件は2棟あります。制震否定派と思われても癪なので、一応明記しておきます。

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