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助成金を使った木造耐震診断・補強のメリット・デメリット

耐震診断は、専門業務です。特別な資格などはありませんが、かなり勉強しないとできるものではありません。よく「耐震診断ソフトに入力するから簡単だよ」という声を聞きますが、それはその方が最低限の知識をもっているからです。つまり建築士や大工さんのような方だからです。それでも耐震の知識は結構特殊かつマニアックです。そう簡単にマスターできませんし、日々の知識の更新も必要です。

さて、行政では昭和56年以前の旧耐震の木造住宅に対する助成を行っているところが多いです。いい加減もう少し新しいものを対象にしたら・・・とも思えますが古いもののほうが、耐震性が低い可能性が高いこと、旧耐震は定められた強度も弱いことから仕方が無いのかもしれません。

さて、助成金を使うことにメリットとデメリットがあります。まずメリットは、高額な耐震診断や補強に補助金が使えるので、結果安価にできる可能性があることです。直接的なメリットはここでしょう。

もう一つあるのは、行政の補助金を使うと言うことで、悪質な業者をある程度排除できるということ。助成金によっては、業者不問というところもありますので、必ずしもこのメリットがあるわけではありません。

次にデメリットです。助成金を使う耐震診断、補強設計などは、お金がかなりやすい、ということです。耐震診断や補強設計などにはコストがかなるのは理解できると思いますが、助成金を使うために事務手続きなどが増えてしまうことがあり、結果としてお金がかなりやすいということがあります。せっかく助成金をもらったのに、実際は、工事の助成にはあまり使われず、補強設計や監理などというところに使われて、お得感が薄いということがあります。

しかし、これを悪くいう業者もいますが、悪いことばかりではありません。良い仕事をするためにはやはり手間がかかるものです。安価なリフォーム屋さんなどは、企業努力で安価にしていますが、やはり手数が少なくなりがちです。そこで助成金を使って、設計者に施工業者のチェックを行わせることによって信頼性を高めたりもしています。つまり助成金には安価にやるという意味だけでなく、信頼性を高めるという意味もあります。安かろう悪かろうでは助成金は成り立たない、と理解していただければと思います。

あと、デメリットの1つとして柔軟性がないことです。耐震補強も一定のレベルに達しないと助成金はもらえません。リフォーム工事とのからみも意外と面倒なものもあります。工事業者側も面倒だな、と感じることが多いらしく、それが助成金を敬遠する動きになっているのは残念です。

助成金制度があるからといって、必ずしも使わなければならないということではありません。しかし使って得なら使うべきです。市や地元の建築士にまずは相談してみるというのも良いと思います。その上で判断すれば良いと思います。

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