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トルコ 地震先進国の耐震基準の実状

こんにちは。

トルコの大地震が日本で起こったら?のような話題も出てきました。いうまでもなく、大地震でどこで発生しても被害はでたと思います。では、トルコの耐震基準はどうだったのでしょうか?

トルコは、日本同様地震大国です。その耐震基準は最先端に並ぶとも言われていました。

そもそも地震大国で過去に被害が大きかったことで耐震に関する意識は高かったです。1999年のトルコ・イズミット地震で耐震基準を大幅に見直しました。以後も耐震基準はたびたび改正され、最新の2018年の基準は日本と同等かそれ以上とも言われています。

日本も新耐震基準から年月が経っているのに、旧耐震の建物が多いのと同様に、トルコも耐震性の低い建物はまだまだ多くあります。法改正も新しいので当然です。

それに加えて設計や完成段階でのチェックが適切に行われていないこともあり、新しい建物でも耐震性が低い建物が多くあるのが現状でした。それを助長するのが、一定の金額を支払えば基準未満でも認められる「恩赦」という仕組みの存在があります。これは賄賂ではなく、何度も成立した時限法に基づく制度なのです。また建物完成後も、所有者や入居者が不法な改築を繰り返すのが実状で、やはり耐震性が不足していた建物は多かったようです。恩赦による耐震基準未達の建物・・・我々から見れば衝撃的な制度です。

いくら優れた基準でも、それをチェックする方法、その重要さを理解させることなしに、威力を発揮できません。トルコの場合は、まだ不十分だったということが、今回の地震で実証されてしまいました。日本でもこのクラスの地震が発生したら・・・と思うと怖いです。言うまでも無く阪神大震災以降、大都市での大地震はありません。その間に日本も耐震基準を強化してきました。その効果が実証される地震は発生してほしくありませんが、発生しないとわからないのも実状です。これからも安全な建物を設計・施工し続けて、安全な都市を目指し続ける事が重要だと思います。

参考:
トルコの建築基準規制(一般社団法人 建築・住宅国際機構(IIBH))

「耐震基準が似た」日本の地震専門家らが話す「パンケーキクラッシュ」
が原因「耐震基準が似た」日本の地震専門家らが話す「パンケーキクラッシュ」が原因
(中央日報)

トルコ共和国における耐震補強推進制度の基礎的検討

トルコ、耐震基準未満の建物1000万棟超か 運用緩く(日本経済新聞)

・トルコでなぜあれほど多くの建物が倒壊したのか 耐震対策は(BCC NEWS JAPAN)

・オリーブ園が真っ二つ、地震で300mの「谷」出現 トルコ南部(CNN)


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