見出し画像

木造3階建てのリフォームを考える

木造2階建てのリフォームも、だいぶ法令遵守が叫ばれてきましたが、3階建ては、さまざまな面でリフォームが難しくなっています。

ユニットバスやキッチンの交換などは普通に行って大丈夫です。しかし木造2階建てと異なる様々な事情から、木造3階建てのリフォームは難しくなっています。

まず、構造計算されている建物なので、基本的に構造をいじると、所定の強度が発揮できません。一部の壁を取り払い、他を補強なら、と思うかもしれませんが、金物や基礎の強度まで計算で出しているので、思わぬ所にひずみが出てしまうこともあります。木造2階建てでもありますが、木造3階建ては更に難しいし制約があります。また検査済証が無効になります(これは2階建てでも同じです)。そして特に都市部の木造3階建ては準耐火構造ですが、これを維持しながらリフォームを行うのは非常に難しいです。木造2階建てと異なるボードの貼り方をしていることがあります。基本的に和室のような柱表しはNGです。火災に対して特別な対策を講じていることが多く、リフォームすると著しく性能が落ちることがあります。

そんなわけで、私は準耐火で検査済証のある木造3階建ての構造の変更を伴うリフォームには否定的です。では、なぜ?たくさん木造3階建ての耐震リフォームを手掛けているのでしょうか?

答えは簡単。準耐火にもしておらず、構造計算通りに施工されていないような違法性のある3階建てが世の中にはたくさんあり、それらを対象にしているからです。構造面でも耐火面でも満たしていない建物の補強は大切と考えており、場合によっては、耐火性アップのリフォームも提案してきております。

では、検査済証があり、きちんと施工されている建物のリフォームは請け負わないの?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、実際はやっています。もちろん上記のことを説明の上、理解していただいたうえ、性能が下がらないことを条件にやっています。もちろん検査済証の取得も目指しますので、安価にはできませんし、制約も多いのですが、要望があればやることもあります。

そもそも性能を下げてまでリフォームを行おうとは思いません。リフォーム屋さんじゃないわけですし、耐震がメインでやってきているので耐震を下げてまでお仕事をやりたいとは思いませんね・・・。

サポートしてくださると嬉しいです。 部分的に気に入ってくださったら、気軽にシェアかコメントをお願いします♪