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エクスポネンシャル思考とは

エクスポネンシャル=指数関数的
1の次が2、2の次が3、3の次が4というのが人間の直感に沿ったリニア(直線的)な変化だが、「エクスポネンシャル」な変化は1の次は2だが、その次が4、その次が8というもの。この変化を10回繰り返すとリニアとエクスポネンシャルの差は100倍近くになる。

「エクスポネンシャル」とは、「指数関数的」という意味。1の次が2、2の次が3、3の次が4というのが人間の直観にそった「リニア(直線的)」な変化だが、「エクスポネンシャル」な変化は1の次は2だが、その次が4、その次が8というもの。この変化を10回繰り返すとリニアとエクスポネンシャルの差は100倍近くなる。
エクスポネンシャル思考の凄まじい威力は、頓智話でもよくある。豊臣秀吉が家臣の曾呂利新左衛門に褒美を聞いたところ、「1日目はたたみ1畳に米1粒、2日目は次の1畳に2粒と倍にして、この広間にある100畳分の米粒をください」と答えた。秀吉は「欲がない」と思ったが、実は50畳目には500兆粒を超える(100畳目は天文学的数字)。
指数関数的な変化は、科学技術から経済社会に渡って幅広くみることができる。シリコンバレーの代表的企業であるインテル創業者の1人のゴードン・ムーアが1965年に提唱したもので「半導体の集積密度は、18カ月~24カ月で2倍になる」という経験則である。
身近な例では、金利の福利計算や経済成長率は指数関数的な変化の代表例である。1800年前後からの産業革命により経済成長が可能になった国とそうでない国に分かれたが、たとえ毎年数%の成長率で200年にも及ぶとその差は明白で、「大分岐」とよばれる。現在、様々な格差があり、それがますます加速しているのはエクスポネンシャルの負の側面であり、その威力を深く知るシリコンバレーでは「ベーシックインカム(最低限所得保障制度)」の議論が盛んである。

グーグル創業者で現アルファベットCEOのラリー・ページは「漸進的アプローチではいずれ時代に取り残される。とくにテクノロジーの世界では漸進的進化ではなく、革命的変化が起こりやすいからだ」と述べた。グーグルには「10%の改善ではなく10倍のスケールを狙え」との不文律があるが、これもエクスポネンシャル思考からくるものだ。


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