私が絵を描き始めたときどんなだったっけ
今日もTwitterのタイムラインが沸いてる。
おすすめ欄はアチアチのダンスフロア。
絵を描き始めるにはどうしたらいいのか!を話すつもりはない。
自分が絵を描き始めたころのことを思い返すと、今とあまりに環境が違うなって思うので。
これは過去を振り返る日記です。
あまりに昔なので時系列うろおぼえなとこある。
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私がネットで絵を描き始めたのは、「お絵かきBBS」略してオエビの時代。
小学生キッズわい、ガラケーの代わりにパソコンを与えられた。
友達がいなかったし、親とも公衆電話で事足りたので、ケータイが無くてもなんら不自由はなかった。
親はおそらく自分が使うつもりでパソコンを買ってリビングに設置したようだが、使い方がわからなかったようだ。
私だけがのめりこんでいった結果、子供部屋に移され完全自分用になったことが転機だった。
当時はTwitterもpixivもなく、
「Oekaki BBS.com」というマンモスお絵かき交流サイトがあった。
オリジナル板、版権板、塗り絵板、リアル絵板にアニメ絵板、アドバイス板、細かくカテゴリ分けされていて、たくさんの「神」がそこに集結していたのである。
私は個人サイトのオエビに書き込む勇気がなくて、ここの塗り絵板でひっそりと息をしながらリアル板のタイムラプス機能を見たり、アドバイス板を覗いてわかった気になったり、月1のテーマ板で推しの版権の回が来て狂喜していた。
塗り絵板以外には書き込まかった。
描きたい、という発想に至らなかったからだ。
見てるだけで楽しかった。
供給が充分すぎて描く理由がなかった。
「でも塗り絵はしたい」という謎の感情はあった。
だから塗り絵板にはいた。
たぶんどこかでは「自分も描きたい」があったのだと思う。
塗り絵が私のお絵かきの第一歩だった。
もちろん、そのときはペンタブの存在を知らないためマウスで一生懸命描いていた。
そして同時期、MMORPGなどのPCゲームにハマっていて、CABALとか、メープルストーリーとか、グラナド・エスパダとか、リヴリーアイランド、モンスターファームオンライン、飽きてはいくつものオンゲを梯子して24時間ログインしていた。
中でもリヴリーアイランドは創作沼へのデカい入り口だった。
リヴリーには個人主催の「イラストコンテスト」や「詩コンテスト」などの文化があり、ゲーム内通貨が賞金に設定されていたりするため金ほしさに参加するっきゃないみたいなとこがあった。
イラコンは大体オエビへの投稿式で、私はマウスで必死に描いた。
普通に落選しまくった。けど優勝する人たちが特別うますぎるだけだったので自分の絵がヘタだと思ったことはなかった。
それに、マウスに慣れてきたころは「キャラたくさん描いてストーリーを持たせると通りやすい」というコツを得てどうにかなってた。
上の絵でお察しかと思うが、リヴリーアイランドは擬人化創作が人気で、擬人化クラスタのためのSNSがあったほどだ。
※大抵のオンゲには有志による非公式専用SNS(mixiみたいな閉鎖的なやつ)が存在していた。
オンゲだけでなく、そっちにも登録するのが嗜みみたいなところがあった。
擬人化交流用のSNSなんてほぼ創作者しかいないので、登録したが最後、感化されないわけがない(ROM専もいるにはいるが)
そこではみんな、ゲームのキャプチャとか、日記とか、自作イラストとか、うちよそをしていた。
「光あれ」の瞬間である。創世記始まった。
「私も擬人化うちのこやりたい!」ってなり、自分のリヴリーの擬人化プロフィールを作った。
もちろん文字だけのプロフィール。名前と、性別と、身長とか年齢と、性格とか簡単な見た目。
そんなもん立ち絵が欲しくなるに決まっているのである。
周りのみんなは描き合いっこもしている。
そんなもん自分も加わりたくなるに決まっているのである。
いろいろ検索して、SAIをパソコンにダウンロードした。
どっかのタイミングで親にねだってペンタブも買ってもらった。親はたぶんそれが何をするためのものなのかわかっていなかっただろう。
自分がうまいとかヘタとか、考えることはそんなになかったように思う。
とにかく描きたくて、描くと楽しくて、みんなの見えるところにアップロードできることが嬉しかった。
閉鎖的なコミュニティだったから、私に興味ない人はコメントしないし、仲良い人はコメントくれたりするから、ささやかで優しい環境だったと思う。
当時の「うちよそ交流」の空気感は今のTwitterのうちよそと比べればずいぶんとサラっとしていて、ドロドロとしたトラブルとは無縁だったように思う。私の周りだけだったかもしれないが。
だからのびのびとお絵かきを楽しんでいた。
自分と他人の画力に違いがあることに気付きはじめたのはこの頃かもしれない。
誰かのキャラクターを描くようになって、描き合いっこもするようになって、もっとかっこよく書いてあげたいのにとかそういう。
でもそれは、顔や手足を描くのがヘタとかの自覚じゃなくて、「どう描いても服がダサくなる」とかの違和感だったと思う。
私は絵がヘタなんだって気付いたのは「ヘタだ」って言われたときだった。
リヴリーにのめりこんで、めちゃくちゃ仲の良いフレンドができた。
その子は絵がうまくて、オレっこで、サバサバしていて毒舌で、かっこよかった(中学生のイモ娘は同世代のオレっ娘はかっこよく見える)
私はその子と毎日ずーーーーーっとチャットしていた。
なんの疑いもなく大好きで、リヴリーという楽しい時間を分かち合った。
で、彼女が擬人化を始めたから私も擬人化を始めたみたいな節があって、仲良しグループ共用のオエビで彼女がいつも描いてるのをキラキラした目で見てた。
そしてついに、私もオエビに描こう!と思い立った。
描いた。
空と屋上フェンスを背景に学ランで立ってるうちのこの絵。
彼女のコメントがついた。
クッソヘタwwwwwwwwwwwwみたいなコメントだった。
そのときは「そうだよね💦ヘタだね💦」ってなって、へらへらしてた。
そのあたりの前後の記憶あんまりない。
彼女からしたら「じゃれあい」くらいのコメントだったろう。私もそのつもりで受け取っていたが、今でも根に持ってるということは相当キいたんだと思う。
思春期真っ只中で、親友だと思ってる相手に言われたんだからそうもなろう。
そのまま彼女との付き合いは続いたが、ある日ふと気付いてしまった。
「この子、私のことを格下扱いしてバカにして遊んでるだけだ」
世間知らずで彼女より劣っている私が好きなだけで、私がなにかを成し遂げたり、なにかを好きでいることには興味がないんだ、と。
毒舌なのはそういう性格なんじゃなくて、その都度はっきりバカにされてるだけだったんだ。
私はそれに気付かず、一方通行にへらへら懐いていたんだ。
親に心配されるほど小一時間ガチ泣きしてお別れした。
どういうお別れの仕方をしたのかも記憶にない。ただある日を境にぴたっと連絡を止めた。
実際のところ、相手が私をどう見ていたのかは知らない。
でも私はそう感じた。
その日から私には芯が通った。
見返してやりてぇという復讐心ならぬ復讐芯が。
うまくなることは強くなることだと思った。
そういう決意を特に発信したりはしなかったし、特別なことをするでもなかったが、うまく描こうと意識する理由が常に心の端にいるようになった。
同時に、別のフレンドとうちよそ語りをしたり、自分のギリヴの物語を小説連載したりして、「自分の作りたいものを語る・作る」楽しみを身体で覚えた。
ソネットブログというサービスがあって、そこはいつからかギリヴラーの巣窟だった。他人のソネブロに足跡をつけつつ作品を更新すれば、足跡をつけ返してもらえた。
それが楽しかった。
当時はコメントとか、感想とか、それほどなかったけど、足跡で充分だった。みんなの創作コミュニティに属しているそれだけで安息があった。
「あなたのギリヴ描かせてください」とリクエストを募集する文化が盛んだったのも良かったと思う。
決してうまくなくても、「描いて欲しい」と言ってもらえて、描けばお礼を言ってもらえて、相手のサイトやソネブロに贈り物として飾ってもらえるのである。
自己肯定感ムクムクよ。
あとは単純に、現実から逃げるためにとにかく描き続けていた。
創作が楽しいとか楽しくないとかは置いといて、ガンガン音楽かけながらキャンバスだけ見てないと正気ではいられないとこあったね。
なお、その頃の絵はなんかごっそり無い。
オエビのやつは保存してないし、SAIで描いたやつもPC壊れてほとんどデータを失ったからだと思う。
そうしてソネブロが下火になったころ、pixivと出会った。
そこはなんというか、無味無臭な場所だった。
はなからコメントは求めていないが、そもそも閲覧数が伸びないんでね。
当時は「注目される/されない」の意識がなくて、閲覧数がどうとかあんまり思ってなかったし、あのままならpixivを絵ログ倉庫くらいにしか使わなかっただろう。
pixiv企画、がっつりとしたうちよそ交流さえ知らなければ私はもっと普通の大人になってたんじゃないかと思う。
あとはお察し。
ラブレター創作で相手をブン殴るために描けなくても描くんじゃ、という気合だけで生きた。
描きたいものを描くために絵がうまくなりてぇと鳴く日々が始まった。
あとキャラシのクオリティを上げてぇという欲。
そんなかんじが今。
こうやって絵をまとめてるとまた不安になってくる。
ごまかしがうまくなっただkやめよう。
絵というか創作全般、天才になりてえ。
アウトプットする苦しみ以前に、つまんねえもの作ってるかもしれんという苦しみがつらい。
なんでこんな、こんな時間に意味が、これは時間の、もっと……(それ以上はいけない)
この苦しい思いが嫌だからうまくなりたい。
溺れるほどの自信が欲しい。
うまくなりてぇ。
うちの子あの子はもっと顔がいいんじゃ。服もオシャなんじゃ。
ダッセ~~~~~~!! つれ~~~~~~~~~!!!
うまくなりてえ。
描きたいものをそれ以上ないほど完璧に描きてえ。
そして描いたことを誰かに喜ばれたい。
誇れるような価値を付加されたい。認められたい。
うまくなりた~~~~~~~~~い!!!!!!!!!!!!
でもね、うまくなりてぇって鳴いてるだけで、
今の自分がへただとは思ってないんだよね(急なマウント)
うまくないかもしれんって思うことは多々あるけれど、
前の私より今の私のほうがうまいってわかるから、
過去の私と比べれば、私は絵がうまい。
この日記にオチはあるのか?
ない。
見てるかあのときの元親友(一方通行)~~~~~~~~~!!!!
10年後くらいに共通の友達を通じて一回だけチャットしたな!
「ふーんうまくなったじゃん。合同誌なら出してやってもいいよ」だっけ?
誘ってくれてありがと~~~~~~~~~~!!
そのときは大人の対応で断ってごめんね~~~~~~~!!
次に会うことがあれば私から誘うね!
覚悟してろ。