ボドゲの楽しさとボドゲ会の難しさ-1度だけでもボドゲを
こんにちは~!shiromiと申します。突然ですがボードゲーム(ボドゲ)って知ってますか?この記事は2023年に8カ月 計37回行ったボードゲーム会(ボドゲ会)についての知見・感情を記すものです。ちなみにこれは十人十色アドベントカレンダーの最終回ですが、6日ほど遅れてます。ごめんね!
おすすめの読者は、ボドゲに興味がある方、感情的な文章が読みたい方、理性的な文章が読みたい方、サークル外の大学生のコミュニティを運営したい方、その他です。
この記事で紹介するボドゲ会の概要です。本年4月から、シベリアンという場所で、多くのボドゲと場所を借りて、人と集まってボードゲームをしました。べにさんが主体となり、モカくんが人を集めながら、shiromiもボードゲーム会を主催していました。まずは、シベリアンの方、べにさん、モカくん、そして来てくださったのべ448人、130名の方に感謝致します。
本稿では1) ボドゲの楽しさ(感情的な文章)、2) ボドゲ会の運営(理性的な文章)を書きました。要約すると、1) ボドゲって楽しい!, 2) ボドゲ会ってむずかしい、、、、です。
ボドゲへの感情
ボードゲームとは
ボドゲに興味ない方はもう離脱されているかもしれませんが、ボドゲについて説明しておきます。ボードゲームは机の上にカードやコマや盤を置いて行う遊び全般を指します。ボドゲをやったことがないかたの頭の中では、双六、人生ゲーム、オセロ、チェス、大富豪、麻雀などが該当します。それ以外に有名なものは"カタン", "Sprender", "モノポリー"などでしょうか。ボードゲームはオモコロといったWebMediaやYouTuberが紹介しています。
ボードゲームとの出会い
僕のボドゲの出会いは友人が高校に持ってきたカタンでした。記憶が曖昧ですが、面白かった気がします。
その後、大学1年生の冬に気の迷いでふらっとべにさんが開催されていたボドゲ会に行きます。それからボドゲの面白さに目覚め、ボドゲ好きの先輩の家や友人宅でやっていき、今ではボドゲを4,50個(10万円くらい?)所有している訳です。気の迷いって大切ですよね。ちなみに副次的にですがボドゲ会で人とのつながりがめちゃ増えました (ありがと~)。
ボードゲームの楽しさ
さて、僕にとってのボドゲの楽しさとはどこにあるのでしょうか。勝敗もしくは競争でしょうか?違います。僕はどのボードゲームをやったかは覚えていますが、その勝敗は覚えていません。ボドゲの魅力は、共通の明示されたルールの下で各自の固定された目標を達成するように協同する所だと思います。ボドゲとは異なり、人間の一般社会では、全員にルールが示されないまま、不透明な各自の目標をもって複雑に相互参照し、よくわからない個体がよくわからない行動をしています。
ボドゲではその複雑さが捨象され、プレーヤーの属人性はなくなり、しがらみ無く楽しめます。その点では、ボドゲはいわゆる"(アッパー系の)コミュ症"の人こそ十分に楽しめると思います。
ただ、ボドゲの楽しさは人それぞれで、例えば、競い合うのが好きとか、みんなとコミュニケーションをとるのが好きとか、プレイヤーの内面を知るのが好きとか、騙しあうのが好きとか、様々です。というか、みんなでコミュニケーションをするというのが、ボドゲの一般的な楽しみ方だと思います。ただ一応あるルールの下で共通の目標と場があるというのはボドゲの楽しさの根幹にあるのだと思います。
難しい話になってしまいましたが、まとめると、ボドゲって楽しい!𝑪𝒂𝒏 𝑴𝒂𝒌𝒆 𝑻𝑶𝑲𝒀𝑶!!!という話でした。ボドゲをやったことが無い方は、ぜひ一度だけでもやってみてほしいです。シベリアンの他では、つくば市ではWBG(筑波大とイーアスの中間あたりにあります。説明する店員なし、安め)、フライヤー(ボドゲ多くて、説明やボドゲのおすすめができる店員さんがいる、車が無いといけないが、大変おすすめ)があります。ぜひお誘いあわせの上、ボドゲをやりにいって欲しいです。つくば以外でも、"地域名+ボドゲカフェ"の検索で大体出てくるはずです。
ボードゲームの沼らせ方
ボドゲ会で楽しかったのは、今まで全然知らない人とボドゲが出来ることと、その人たちにボドゲの楽しさを知ってもらうことができたと思えることです。ボドゲ会で、このボドゲは是非やってほしいとか、このボドゲおすすめなんだよなとかいうのを人にやってもらって、このボドゲいいですね!買います!と言って実際に買って楽しんでいるツイートとかをみると勝手にうれしくなります。
人をボドゲ沼にはまらせるには6つのステップがあります。
1) ボドゲを一個やる,
2) ボドゲを何個かやる,
3) 好きなボドゲを見つける,
4) 自分のボドゲの好みの傾向を知る,
5) ボドゲを一個買う,
6) ボドゲを大量に買う(完成)
ボドゲ会では1、2のステップを、できれば3、4のステップを体験してもらえると大変うれしいなと思いながらやっていました。大体3回目以上いらっしゃると3、4のステップに到達し、5で一個でも買うと、もう沼にはまったのも同然です。なにかのジャンルの人口の大きさはジャンルの興隆に重要で、わずかながらも筑波大生のボドゲ界隈への参入を手助けできたと思います。
ちなみに、ボドゲは通常2千円からと最初に買うには高いので、購入する際には一度やって楽しかったもの、もしくはボドゲーマというボドゲのサイトで評価・口コミを調べてからをおすすめします。
人間関係の構築
これは、ボドゲに特異的では無いですが、人が集まるところでは人間関係が構築されます。ボドゲ会の副次的な産物として、新しい人とであって、友人が増えたという声は聞きます。
まあ人間の交流が増すことは良いことなので良かったです。良かったね。
別学類の友人は大体ここで出来たので、様々な属性の人がくるコミュニティに属すのは人生に?必要だと思いました。
ボドゲ会の理性的な分析
さて、ここからは実際にボードゲーム会の結果をデータを示しながら書きたいと思います。
ボドゲ会の基本情報としては、以下の通りです。
時期 : 2023/4~2023/12
頻度 : 毎週土曜日(14時から24時)
(主催者の都合、イベントごとによって中止あり)
参加者: 大学1年生(4割), 大学生高学年(5割), 社会人等(1割)
料金 : 600円/人
運営 : 大学生3人(と施設側)
立地 : 筑波大学 大学会館から徒歩5分
その他: ボドゲ販売, 飲食提供なし
ボドゲ会の来場者データ
早速、各回ごとの来場者数を前後回との平均の推移とともに下図に示します。
適当に、正規分布関数と定数関数をのせてみます。各回ごとおおよそ8人前後来ていただき、緑の山が3つ、オレンジの谷が1つあるように思えます。最初の山は初期のスタートダッシュで、描画していませんが45人来た会を含んでいます。最後の山はボドゲ会が終わる告知をしてからの駆け込みの山です。真ん中の山は新入生の人たちが、友人を連れてやってきた会たちです。オレンジの谷は夏休みに相当しています。
いかに恒常的な参加者を増やすかが会の持続の条件ですが、後述の通り、2つめの山で人々を維持できなかったのがボドゲ会の終わりの原因の一つだと考えます。この山は新入生が友人と誘い合わせの上来てた時期でした。また、大学生は夏休みや試験、学園祭などイベントが多く、その時期の参加者は少ない傾向にありました。
参加者をライトユーザー、ヘビーユーザーで分類してみます。参加者を5回ずつ来場回数で分類し、参加回数が1~4回、5~9回、10~14回、15~19回、20回以上である人の階層を作りました。下図左は各階層の人数を、下図右はその階層の人達ののべ来場回数(すなわち売り上げ)を表しています。パレートの法則によれば、2割の顧客が8割の売り上げに貢献してると言いますが、ボドゲ会においては2割の顧客はおよそ6割の売り上げに貢献しており、ライトユーザー層の重要性が大きいように感じました。
さて、ライトユーザー層の多い会では、とにもかくにも再訪率を上げたいです。1回目に来た人が2回目に来る確率に対して、2回目に来た人が3回目に来る確率はその倍以上だと言われています。再訪率を上げれば、定着率が増え、ボドゲ会の持続運営につながります。
ありきたりな声かけ以外には、スタンプカードを作りました。これはrakusulよりテンプレートから作成し200枚1500円でした。次回から使える100円相当のサービスや、楽しそうな権利を来場回数に応じて置いておきました(例; first priority: 一度だけ勝敗に大きく関わらない限り初手番を得る権利)。作るまでの時間は多少かかりますが、実費自体は抑えられるのでスタンプカードは作っておいて損は無いと思います。
ボドゲ会をやめた理由
さて、ボドゲ会を続けられなかった理由は、端的にお金の問題な気がします(主催者たちがいそがしくなるのもあります)。
以下の図は先ほどの平均参加者に、損益分岐点を載せたグラフです。すなわち、青い線がオレンジの線を下回った時点で赤字になります。経常赤字が続くのは厳しいものがありました。以降この項は支出と収入の部に別れます。
ボドゲ会の支出には、A. 施設費、B. ボドゲ準備費、C. 人件費があります。
A. 施設費では、夏までは、売上の何割といった感じで、大体ひと月(毎週土曜3~5日間)15,000円ほどで貸していただいてました。夏以降は毎月25,000円の固定になり、次年からは30,000円の予定でした。大きな上がり幅はこれが原因です。ただ、貸しスペースという面では大変安い値段で貸していただけました。これよりも安い値段で貸しスペースを見つけるのは困難だと思います。
B. ボドゲ準備費は、これもまたシベリアンにあるボドゲ(約30万円、シベリアン負担)と、主催者のボドゲ(10~20万くらい?)で行いました。
C. 人件費はやりがい搾取しましょう。最初は、売上の2割としていましたが、ちょっと財政がきつく、9月では一回千円、10月以降では一回500円としていました。大変よろしくないですね~。
そんなこんなで、定常的な赤字を抱えたまま、このまま運営を行うのは困難と判断しました。
ボドゲ会の収入は参加費であり、これはA. 入場料の設定、B. 来場者数で決まります。
A. 入場料は600円としていましたが、普通他のボドゲスペースでも、一回の利用で安くても2千円くらいです。値上げを行わなかった理由は大きい順に以下の3つです。
1) 折角今来ている人達が来なくなったら悲しい
2) 重要な新規参入や友人と連れだって来る人達の障壁となる
3) 大学生がメインターゲットとなっており、また都心でもなく、値上げが環境に見合っていない
以上のように、値上げによって折角来て貰ってる人が来なくなってしまうのは、ボドゲを多くの人にやってもらう目的を果たせず、また、閑古鳥の予感がしたので値上げは行いませんでした。
B. 来場者数を黒字になるまで多くできなかった理由は、大学生をターゲットしていたからだと考えています。
大学生のコミュニティは流動的で、ボドゲ会がサークルに対する優位性を確保できません。コロナ禍で大学当局の規制があるなどの状況でなければ、料金をしはらわなくてよいサークルには勝てないと思います。
基本的にボドゲの楽しみ方は、親しい人とわいわいとやるというのが一般的です。よって、ボドゲって結局買って仲の良い友達と家でやればよくねになります。ボドゲ会は新しい人間関係を築くには、適していますが、固定されたコミュニティを探すには不適だと考えられます。既により魅力的で新規参入容易なコミュニティがあればそちらに人は流れるでしょう。
反省
まとめとしましては、サークルに対する優位性が無く、大学生をターゲットとする定期的なボドゲ会はビジネスプランとしては大変に成立が難しいと考えます。
よって、ターゲットを大学生以外にみつけること、飲食やボドゲ販売など別の収入源をみつけることを提案します。
また、会ごとの入場者数の山や谷は、上下が激しく、トレンドを見極めるのが難しかったので、定期的に可視化してその原因や対策を行うべきだと感じました。
最後に
さて、以上で感情と理性の話は終わりです。ボドゲって楽しいよね、みんな1回やってみようぜ~、けどボドゲ会って難しいねって感じです。来てくれた人達ありがとうね~。ではまた。