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子供のころ苦手だったこと

しろみさんは幼稚園児だったころから苦手なことがある。日本で暮らす多くの人が1度は経験するでしょう。
『将来の夢はなに?』
小さい頃から当たり前のように聞かれる、将来の職業。
皆さんは、その時々でなりたいものはありましたか?

最初の疑問

幼稚園で用意してくれるお誕生日の本に、毎回必ず書いてある『将来の夢はなに?』という言葉。
先生に付き添われてその本の中身を自分で書いて埋めていくのだか、その項目だけ書くのに戸惑った。
だって、夢、無いのだもの。
周りの友達は楽しそうに「パン屋さんになる!」「お花屋さんになるんだぁ」「先生になるの」などと話してくれる。「ケーキになる」「紅茶になる」と話してくれた子もいたが、周りの子達に「変なのー」と言われていた。
ふむ。あれは、へん。これは、ふつう。
そう理解して、その時で多く聞こえてくる職業を書いていた。そうすると周りの大人は、にこにこしてくれた。
逆に「漫画家」や「デザイナー」などと言うと、苦い顔されるし辞めるように言われることもあった。
なんだ、正解があるのか。

小学校に上がると

手こずっていた『将来の夢』だけでなく、『尊敬する人』が出てきた。
こいつは困ったぞ。尊敬ってなんだ?
スゴいと思って憧れる人だと??
また周りの友達の話を聞いた。
「○○先生」「歴史上の人物」「ボランティアの人」なんだか、みんなバラけている。
過去の作文を読んでみた。
「父母」「ガンジー」「年の離れた兄姉」
あぁ、これが主流なのか。
ある年は「マザーテレサ」に関する本を読んで、史実を連ねて「~だから、こんな風になりたいです。」と締め、ある年は「母」、またある年は「父」と、同じ締めで色々書いた。
自分でも作文ではなく、物語だなと感じた。
書いている事象に嘘はない。「なりたい」と思う己の心だけが嘘なのだ。

中学生になっても

まだ「将来の夢」や「尊敬する人」がつきまとう。
毎回、苦心していたが、ここで小論文が登場する。
受験のための作文。
助かった。
型にはめて、文字数さえ稼げれば、クリアできる。
嘘だって構わないんだ!
そんなこんなでつらつらと書いた文章が、作文コンクールに出されてしまった。
さらには登壇して読み上げなければならないらしい。
嘘なのに、さも自分のことのようにキラキラと読み上げた。
地域のお年寄りを集めた会でも読まされた。
あぁ、本当は未来を夢見る若者ではないんですよ!
そんな想いを抱えながらも、この作文のお陰で高校に合格できた。
私が書いた文章で、誰かが良い思いをして、私も良い思いが出来るならいいかと思った。
そこからは、苦心せずに書けるようになった。
無くても作れば良いと気がついたから。

大人になってやっと

しろみさんの中の「尊敬する人」がなんとなく分かってきました。(未だに「将来の夢(職業)」は残念ながら分からないです。)
「尊敬する人」は、人生の経験値が貯まったからこそ出会えました。
でも、こんな経験値積まないと分からないことを、たかだか10年ちょっと生きた人間に書かせてるのかと思うと無理ありませんか?
みんな人生何周目なんだろう。
あと「職業=夢」はイコールにならないのではと未だに思う。
「職業」は何をしてお金を稼ぎたいかって話だし、「夢」ならば幼稚園の子のように「ケーキ」だって「紅茶」だって良いのだ。
世間様は、子供に理想のキラキラを押し付けるんじゃないぞ。










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