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#51 今さら、「OVER THE SUN」を聴き始めた

今さら、「OVER THE SUN」を聴き始めた。
知らない人のために説明をすると、ポッドキャストの大人気番組で、パーソナリティはコラムニスト(その他肩書/才能たくさん)のジェーン・スーさんと元TBSアナウンサーの堀井美香さん。
ターゲットとなるリスナーは、タイトルからお察しいただけるかもしれないが、中高年層の女性、所謂「おばさん」である(実際には性別・年齢問わず様々なリスナーがいる)。
番組のコンセプトは、スーさんと美香さんが毎回他愛のないおしゃべりをしながら、リスナーと投稿を通して対話をして、みんなで〝太陽の向こう側〟を目指していくというもの。

後輩のエムオくんを筆頭に、いろんな人から「白丸さん、絶対にハマるから聴きな」と言われ続け、また、スーさんが書かれるものは大好きなので気にはなっていた。
しかし、意識した時にはもう既に200話近いエピソードが公開されており、
むりむりむり…と、ちょっとだけ開けた襖をすぐに閉めたのである。

そんなわたしが今、わずか一週間ちょっとで半分(100話)を聴き終えるに至った経緯をここに記しておこう。※1.5倍速で聴いた

(経緯)
今から一週間ちょっと前、わたしは新宿西口で前後不覚になるまで大酒を浴び、帰巣本能に従って西武新宿駅に向かう途中で突如目の前に立ちはだかった10分2100円の占いの館に入ったのである。
これが歌舞伎町の怪しい客引きでなかったことに感謝しよう。

しかし、酔っ払っていたため、悩みという悩みが思いつかず、

最近、仕事はまーまー安定している、親、子ども共に家族関係は良好、恋愛・結婚願望なし、故に悩みなし。
であることを告げたのだ。

「じゃあなんで占いに来た…?」
と、占い師のお姉様は思ったに違いない。

占い師さん「何か、やりたいことはある?」
わたし「うーん、あえて言うなら、創作活動ですかね…」
占い師さん「仕事はどんなことをしているの?」
わたし「ライターのようなことを…」
占い師さん「じゃあ、小説を書きたいとか?」
わたし「そうですね…去年までは書いてたんですけど、芽が出なくて辞めちゃったんです」
占い師さん「じゃあ、ポッドキャストをしてみたらどう?」
わたし「はい(パードゥン?)?ʕʘ‿ʘʔ」

いや、それはいくらなんでも唐突過ぎる。
音声配信は、わたしの趣味嗜好ではないぞ…。

占い師さん「わたし、ジェーン・スーが好きで。オーバーザサンって番組を毎週欠かさず聴いてるの」

⏳…

ここから約4分間、ジェーン・スーと番組の魅力を語られる。
もう一度おさらいすると、わたしが申し込んだのはミニマムタイム、10分間の占いである。

どうやら、このお姉様はジェーン・スーと番組の大ファン(互助会員:同番組リスナーの総称)で、物書きであるスーさんがラジオやポッドキャストのパーソナリティをしていることから、
自称・ライターを名乗るわたしにも、ポッドキャストのパーソナリティをするよう勧めたようだ。

「あの…ジェーン・スーさんは特別な才能があるのであって、文章書いてる人が誰でもみな、面白い話ができるわけじゃないんですよ…」
とは、言えなかった。

なぜなら、お姉様の語りは一瞬の隙も与えないくらい熱かったのだ。
10分しかないから、とにかく捲し立てる、捲し立てる。
でもその内容はわたしへの助言ではなく、「オーバー ザ サン」の魅力について。

⏳10分経過。

こうしてわたしは、10分間の占いで、自分の人生や未来に関するアドバイスを得るのではなく、ポッドキャスト番組「オーバー ザ サン」は面白いという、唯一の貴重なお告げ(?)をもらったのである。

まー人生の先輩である占い師お姉様がそんなに言うなら、もう一回聴いてみるかーーー。

沼🫠

気づいたら、100話聴取完了。

そして、100話を聴き終えた今、全身に漲るおばさんパワーと、恍惚感、幸福感。
心なしか、肌まで艶めいている。

そう、生活や習慣、置かれている状況は何一つ変わっていないのに、「オーバー ザ サン」を聴き始めてから、なんでか分からないけど、「わたし、まあまあ幸せかも」「まだまだ楽しくやっていける」の思い込みが半端ないのだ。
スーさんや美香さんの何気ない言葉に励まされ、ついついメモしたくなる金言もあり、リスナーさんの投稿に笑って、涙し…。

不思議と、「そうだよなー人生いろいろだよなー、でも今、とりあえず生きてるし、日々、飯がうまいとか小さな幸せがあるし、これでいいんだー」という気持ちになれたのである。

ということで、酔っ払っていたので、店名もお名前も失念してしまい、もう二度と辿り着けないであろう新宿西口の占い館のお姉様、素敵なエンターテイメントを教えていただき、本当にありがとうございました。

今日の気づき:エンタメは、時にささると人生が変わる。

おわり

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