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野球の投球成績に関する個人要因


2019年

⚾️結論

体重・年齢・体幹前傾・膝伸展角度の減少・水平外転角度・体幹の側方傾斜などの運動学的パラメータが、投球パフォーマンス、より正確には球速と関連している

⚾️目的

①投手のパフォーマンスに関連する因子を分類すること
②試合の特徴を通じて投手パフォーマンスを評価するために使用される方法を記述すること
③投手パフォーマンスに関する個々の因子を特定すること

⚾️投球パフォーマンスの各々の因子

【運動学】


・フットコンタクト
肩関節の水平外転角度の増加は、球速と関連している
アメリカ投手は、韓国投手と比較して、肩関節の水平外転角度と肩関節の外転が優位に大きかった
また、アメリカ投手は韓国投手よりも肩関節の外旋角度が小さかった

・アームコッキング
肩関節の外旋角度の増加は、球速と関連している
アメリカ投手の方が、韓国投手より、肩関節に外旋角度が大きく、最大骨盤角速度が大きい
また球速が速い選手ほど、肩関節の外旋角度が大きく、体幹上部の角速度が大きい

・最大の肩関節の外旋(SER:shoulder external rotation)
体幹上部の回転角の増大と側屈角度が球速と関連している

・加速フェーズ(Acceleration)
肩関節の外転角度の減少は球速と関連している
だが、肩関節の外転角度に関しては、相反する報告がある

・ボールリリース
膝関節の屈曲角度の減少と体幹前傾が大きいと球速が速くなる可能性が高い
アメリカ投手は、韓国投手に比べて、リード脚の膝関節が伸展していて、体幹前傾がより大きかった


【運動力学】

・アームコッキング
肩関節の近位力の増加は球速増加と関連している

・加速フェーズ(Acceleration)
肘関節の近位力のピークは球速増加と関連している

・減速フェーズ(Deceleration)
肩関節と肘関節の近位力の増加は、球速増加と関連している

・タイミングの結果
肩関節の内旋角速度の増加は球速増加と関連している
フットコンタクトから最大外旋(SER)までの時間が短いほど、球速は速くなる
フットコンタクトから骨盤角速度までの時間が長くなると、球速が低下する

・身体検査と個人の特徴
爆発的な運動テストが球速と相関している
以下の項目が球速と関連
・外側から内側へのジャンプ
・MBスロー
・立ち幅跳び
・10mスプリント
・握力
・体重
・身長
・上腕骨の長さ、橈骨の長さ

・その他の個別パラメーター
骨盤から手までの各体節に置いて、球速とエネルギーフローは優位な相関があった

コッキングからフットコンタクトへの移行期において、球速の速い選手はより高い地面半力が存在することが明らかになった

腰と肩の分離が大きいほど、球速が速い

大臀筋の活性化は、地面半力の理解を深めるために最適化できる

骨盤から手にかけてのエネルギーフローは球速と相関している

⚾️限界

英語とフランス語で発表された研究のみがこのレビューに含まれたこと

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