大学野球選手のバットスイング速度を向上させるストレングス&コンディショニングプログラム
⚾️結論
高速のバットスイング群は、低速のバットスイング群より、
・全身除脂肪体重
・握力
・背筋力
・後方MBスロー
が有意に大きかった
バットスイングを向上させるためには、
ウエイトトレーニングと打撃練習の組み合わせを提案する
⚾️目的
・大学野球選手における身体計測・生理学的変数とバットスイングスピードの関係を調査すること
・野球に特化したストレングス&コンディショニングトレーニングの例をいつくか提示すること
⚾️対象
・大学野球選手78名
・平均年齢 19.4±1.0歳
・阪神大学野球リーグの選手で、日本大学野球の1部リーグ
・過去6ヶ月以内に野球参加を妨げるような筋骨格系の損傷や病状のない者
⚾️評価項目
・Blast Motion(スイングスピード)
・身長
・体重
・除脂肪体重
・握力
・背筋力
・30mスプリント
・立ち幅跳び
・後方MBスロー
スイングスピードのレベルを3つに分けた
・高速スイングスピード(n=26)
112.0±4.0km/h
・中速スイングスピード(n=26)
104.9±1.4km/h
・低速スイングスピード(n=26)
98.8±2.8km/h
⚾️まとめ
全選手(n=78)の平均スイングスピードは、105.2±6.1km/h であった(Blast Motion)
スイングスピードの範囲は、90.5〜123.3km/hであった(Blast Motion)
高速スイングスピード群は、中速・低速スイングスピード群に比べ、
体重および除脂肪体重が有意に重かった
高速スイングスピード群は、低速スイングスピード群に比べ、
身長が高く、上肢除脂肪体重(利き手)と下肢除脂肪体重が大きかった
また、握力と背筋力が大きかった
打者は、地面から脚・腰・胴体・上半身を通して、力を生み出すことで、より速いスイングスピードを達成する
また、体幹を素早く回転させた
高速スイングスピード群の選手は、手首の橈屈・尺屈動作でバットをコントロールする
下肢からの地面半力は、体幹と上肢に運動連鎖を起こし、爆発的なスイングスピードにつながる
スイングスピードは、総合的な打者成績の向上と関連している
⚾️この研究の限界
・握力は弱いが、スイングスピードが速く、高打率の選手が少数存在した
・身体能力評価プロトコールの試行回数に関しては、いくつか制限があった
例えば、30mスプリントの試技は1回。後方MBスローは、試技2回であった
この試技回数では、参加者の安定したテストスコアに達ない可能性がある
・参加者の中には、他の選手と比べ、レジスタンストレーニングの量・強度・頻度が多い選手もいた
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