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今井直人(自分)から考える、やりたいことを見つけて自主的に動くために必要なこと

どうも。元芸人のユースワーカー今井です。

ユース世代の自己実現

自分の心の中から出てくる内発的動機でやりたいことを主体的に動いていく

探究学習で言われる「学びに向かう力」や、うちの施設で言う「やりたいをやろう」や、アショカの言う「チェンジメーカー」の本質的なことは、内発的な動機かどうかと、主体性があるかどうかが大きな要素だと思う。

僕は、ユースワーカーという仕事を始めて、うちの施設のボスが言う居場所施設のあるべき姿を求めて1年ちょっと働いてきたわけだけど、その中でもかなりテーマになっています。

内発的動機や主体性を担保するために、無理に誘うことや、レールを引くことや巻き込み方を意識することをあまりしませんでした。
あまり無理に誘うと、本人の意思と反してしまうのじゃないか?レールを引くと、主体性がなくなるんじゃないか?そう思い、基本は本人たちの意思に任せ、微妙な感じだったらやめちゃう。そんな感じでした。

1年たっても、あまり成功事例と言えるようなユースの成長は見れませんでした。(多分、かなりいい感じだと思うし、素敵な施設になっています。まだまだやれるぞって話です)

1年で見えたユース世代の今

「やりたいこと」
って、ありますか?
昔はたくさんありましたよね。生まれた時や幼少期は、やりたいことだらけで楽しいことだらけなんだと思います。
でも、成長していく中で、親からも先生からも友達からも、何かしらで評価をされて、何かしらでカテゴライズされて、やりたいことよりも、周りがやってほしそうなこと、自分にできることをやるようになってしまう。
多くのユース世代がそんな感覚だと思います。

そんな子たちに、なんの土壌もない子たちに、
自分の心の中から出てくる内発的動機でやりたいことを主体的に動いていく
ここを求めるのって、当たり前にめっちゃ難しいことなんですよね。

でも、僕はこの1年、”やれるはず”という謎の気持ちで彼らと向き合い、いわば投げやり、もっと嫌な言い方をしたら放置していました。

でも、上手くいくわけがなかった。
彼らには、未知の世界だから。

そもそも、このコミュニケーションで自己実現ができる若者が増えるなら、僕らの存在なんていらなくて、みんな自己実現に向けて動いているはず。
ユース世代だけじゃなくて、多くの大人も、文句や妄想は言葉にしても行動に移せない。そんな世の中な気がします。

自身の体験から見る自己実現

僕は多分、周りから見たら、”好きなことをやっている人”で、”やりたいことをやっている人”なんだと思います。
じゃあ、昔からそんな人間だったのか?
そう考えると、全然そんなことありませんでした。

中学校の時は、ヤンキーが多い中学校で、いじめられるわけでもないけど彼らにビビッてひっそりと暮らしていたし、サッカーも自分がそこまでうまくないことに気付いて、なんとなく上手くできそうでポジションの空いてたキーパーにコンバートしたし、ただの反抗期だったし、もしユースセンターがあっても、行ってなかったと思います。

でも、高校受験が迫ったときに、このくそつまんないくそ人生を続けるのか?という、いい意味での中二病で、普通の高校に行きたくないとかほざいていました。
でも、行きたい高校を探すわけでもなく、ブツブツ文句を言っていました。

そこで、兵庫県立舞子高校環境防災科を先生と親に勧められ、オープンハイスクールに行きました。
可愛い先輩が学校紹介をしていて、たまたま出身中学が一緒で、その人と仲良くなりたいことが一番で、あとは校外学習が多くて楽しそうって理由で進学を決めました。

振り返ってみてもバカ。

高校に進学すると、先輩に誘われてボランティア部に入り、先輩に誘われて生徒会に入り、なんか真面目ないいやつ(陰キャ)みたいな生活でした。
ちなみに、この誘ってくれた先輩は、オープンハイスクールの時に出会った先輩とは別です。そう、その先輩は僕が中3の時に高3で、僕が入学したときには既に卒業していました。
本当にバカな中学生ですね・・・

そして高校2年の終わりに東日本大震災が発生。
震災の数週間後には募金活動をはじめ、震災の1か月後には現地にボランティアへ。

僕は、高校時代、何も考えなくてもボランティアに行けて、被災地に行けて、メディアに取材されて、イベントに登壇して、大勢の前で活動報告をしていました。
高校時代は、そんな自分のことをすごい人間だと勘違いして、何でも出来る何者にでもなれると思っていました。

大学に進学すると、そんな毎日から一変。
ボランティアをしたくてもどこに行けばいいか分からないし、被災地との繋がりは無いし、報告する活動もない。
空っぽの人生に戻りました。

でも、ひょんなきっかけで、自分でボランティア先を見つけられることや被災地に行けることを知り、自分自身で動いていくことができました。

高校に入った時は、変な動機でボランティアや防災に関わり始めたけど、その経験があったからこそ、自分のやりたいことが見つかり、自分で動くことができました。
やりたいことなんてなかった僕が、やりたいことを見つけてこの年になっても全力で追いかけているのです。

ユース世代に必要なのは、多様な経験と出会い

多様な経験
僕が、大学に入ってから、やりたいことを見つけて自分で動けたのは、高校時代に色んな経験をさせていただいていたからです。
高校の時は、やりたいとか考えなくても、ボランティアができる環境が整っていて、僕らは参加すると先生に言えば、ほぼ毎週ボランティアに行くことができていました。そんな環境が普通だと思っていた僕は、大学に入ってボランティアをやるやり方が分からなかったのです。
でも、そこで初めてボランティアが好きだ、ボランティアがやりたい!と強く思うことができました。僕がたまたまボランティアにハマっただけなんですけど、この半強制的にボランティアに参加していた経験が活かされていたと思っています。

また、東日本大震災の支援を行っている中で、僕は防災やボランティアが好きなんじゃなくて、その中で変化していく人の心に興味があることに気付きます。そこから今の仕事をやりたいと感じるわけですが、これは、防災やボランティアに関わっていたから気付けたことで、その経験がなければ、未だにその興味関心には気付かずに、何も考えない毎日を生きている事でしょう。

出会い
多様な経験の中で見えてきた興味ややりたいことを、僕はすぐに行動に移せませんでした。むしろ、人のせいにして、自分を正当化していました。ただ、ボランティア団体を作る時も、東北支援に力を入れる時も、参加者の心に寄り添うボランティアツアーを開催した時も、僕は誰かとの出会いで行動することができました。

ボランティアを僕にお願いしてくれた福島からの避難者の方
東北に一緒に行こうと誘ってくれた先輩
行動はメッセージと掲げ、アクションを止めない年上のみなさん

僕は、この出会いで、自分で考えて行動することができていきました。

結局伝えたいこと

まずは、「土壌を作らないといけない」ということ。
彼らに、さぁ、自分で考えて行動しよう!って言っちゃうことは、怠慢なんだと思います。それが良いと思っていたけど。
彼らに選択してもらいつつ、半強制感を持ってでも、彼らを巻き込んでいく。その中で、自分について考える機会を多く持ち、自分の興味関心ややりたいことを見つけていく。
そして、見つかった時に後押しされるような出会いを持つ。
僕もその一人になる。

マイプロを始め、ユースと関わる多くの方々と出会ってきました。
多分、みなさんはこの辺を言語化して取り組んでいるように思います。
ただ、何かが足りない。そんな気持ちになる瞬間もあります。(全く否定していないです。考えたいって感覚です。)

とりあえず、目の前の彼らが心躍るような場を作って、色んな体験や出会いを持ってもらえるよう、頑張っていきます。

おしまい


P.S.
環境防災科を卒業してから、防災やボランティアに携わる人は限られていて、例年5人ぐらい?まぁ消防士とかを入れたらもっと増えるわけだけど。なんで、同じ体験をしているのに、そのあとの人生に違いが生まれるのだろう。興味関心の問題なのか?出会いなのか?この辺は、また調べていきたいな。

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