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はたらく

最近、働きたくないからか働くことについてばかり考えてしまうといったあべこべな状態になっている。
この、広く言えば自分のキャリアについて考え直すことが多くなるのは二十代後半でよくあることらしい(友人談。nはきっと少ない)。

とにかく大変そうに働いていた設計士の父を見て育った私は、働くことに対してとてもマイナスだった。生きるために、お金を得るために苦役を強いられる。そんな理解だった。

そんな私だったが、大学生の頃にとある言葉に出会った。

はたらくとは、はた(傍)をらく(楽)にすること。つまり、助け合って社会を回していくこと。

後から調べると、語源としてはそういったことになることはないといった指摘(語源由来辞典)も見つかったが、語源というよりはそういうものとして自分の中で定義したいと思える言葉だった。

今私はSFAと呼ばれる営業支援を中心としたツールの導入支援業務をしている。上の言葉を胸に刻み込んで仕事しているものだから、クライアントと仲良くなることは多いし、「おかげで売り上げ上がりました!」や「担当があなたでよかった」と言ってもらえることもある(とっても嬉しい)。

一方で、導入しているツールの特性上、業務の効率が上がるものの、多くの企業がその先の「収益拡大」を狙って導入を進めるため、担当するクライアントの日々の負担が軽くなるといったことはあまり聞かない。
むしろ、効率化によって業務の速度が増し、ゆっくり丁寧に向き合うといったことを減らしているのかもしれない。

ウェルビーイングやコミュニティという概念に触れながら暮らしている私は、自分が暮らしをよくするどころか、どんどん忙しなく、ともすれば疲れ果てる方向へ誘っているのではないかと日々不安になる。

私ははたをらくにできているのだろうか。
きっと、もうしばらく悩むことになるような気がする。

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