BBCproms『FF』『キングダムハーツ』(& のだめ『ラプソディ・イン・ブルー』、マングース『アイガットリズム』、『ラデツキー』)

今日BBC Proms Japan聴いて参りました。例によって素人の感じた稚拙な感想で申し訳ないですが、色褪せないうちにそのまま書かせていただきます。

メモ・フローラとても美しかったし、リズムの違和感も味わい深くてめちゃくちゃ素敵だった。挾間さんの曲もジャズっぽさが角野さんに合うなと思ってわくわくした。エヴァはもう、ほんとにその前のバッハの強烈な聴覚視覚的導入もあって、あの世界に入り込む感じだった。どれも違って面白かった。

個人的に今日イチに響いたのは後半で、キングダムハーツに入って、もうなんていうか、言葉を選ばないで言うなら『解き放たれた角野さん!』という感じで(私がゲーム音楽好きだからそう感じただけかもしれない)、曲を好きな気持ちが鍵盤の外まで溢れてる感じで、演奏のボルテージも上がってきた気がして、めっちゃくちゃ高揚した!

たぶん私自身が、これまでクラシックとかジャズとかご自身の作られた音楽を弾く角野隼斗さんしか、生のコンサートホールで聴けてなくて。
角野さんがコンサートホールで、オケと一緒にゲーム音楽を弾くとなった時に、それがどういった印象を受けるのか自分でも予想がつかず、微妙な不安というか、不安じゃないな、なんだろう、予測できない不確かさがあって。

ほんとのほんとのこというと、角野さんは音楽に対して物凄くフラットな感覚をお持ちのめちゃ稀有な存在なので全く違うけれど、一般的にクラシックに比べてゲーム音楽の地位は低いように見なされている気がしていて…。
お客様をはじめ、オケの皆さんにも「ゲーム音楽だからって差別せずにちゃんと真っ正面から受け入れてくれるよね…?」という不安が正直ないわけではなく。なんかそれがもやもやした不確定要素の原因なのかもで。

と悶々と思ってたら、もう冒頭で吹っ飛んだ。
角野さん、超絶本気だった。
クラシックを弾くときの一音一音細部まで大切にする感じとはまた違って、全部の音に全身で魂のってる感じで、本気の演奏なのがひしひし伝わる。
この曲に込めた思い入れとか好きな気持ちとかが、鍵盤からはみ出すくらいに溢れてて、その姿は、もうめちゃくちゃにカッコよかった。
超絶カッコよかった!!!!

そして、いよいよFFの『闘う者達』、『更に闘う者』が。もうかてぃんさんの最終形態です!
超絶壮絶カッコいいのなんのって!!
『角野隼斗全解放!!』という感じで、さらにアグレッシブになる演奏!!!泣
もうめちゃくちゃカッコよすぎて涙が出ました。角野さんのピアノが超絶本気で、この楽曲をご本人がめっちゃ大好きな気持ちも乗っかって、良さを最大限、百万倍の拡声器みたいに伝えてくれるので、もう胸を打たれまくってしまった。
自分の好きな曲を推しのピアニストが好きでいてくれて、それを全力で弾いてくれる(クラシックじゃないのに!)というのは、もうね。感極まる。

この二曲では、もう角野さんのピアノが中心というかすべてで、オケを引っ張りまくるかてぃんさんの演奏が凄すぎた! かてぃんさんがオケよりもオケだったといっても過言じゃないと思う。(素人の感想ですので全く勘違いでしたらすみません)
角野さんのおかげで、あの会場でいかずちに打たれたように、FFのこの楽曲のよさを知った人が絶対にいたと思う。そんな物凄いエネルギーをほとばしらせた二曲だった。

アンコールの『ザナルカンドにて』。
生で聴いてしまいました。
なんてこと……。
神様がいるなら感謝しなきゃいけない。
というより、なによりも、弾いてくださった角野隼斗さんに心の底から大大大感謝です。ありがとうございます。
(人気曲なので皆さんのご期待にお応えになったのだろうけど、個人的にとても今必要な曲なので、めちゃめちゃ有り難かった)
自分にとって角野さんの弾くザナルカンドは凄く特別なんだなと改めて感じた。

正直まだ治る兆しがなくて、気づけば憂鬱に暗闇に袋小路にはまりがちな思考が、日々自分を苦しめてて。同じ負のループが治らない自分にもものすごくいらいらするし、無気力で虚無なままの自分にすごく焦りもする。

けど、今夜の角野隼斗さんの『ザナルカンドにて』を聴いたら、そのとげとげしたものがひとつひとつ抜かれたか消されたかしたみたいに、聴き終わったあと、心が驚くほど楽になっていた。

余計なものがとれて、心のかたちが分かるというか、くすんで色褪せて苔が生えて鍾乳石みたいにとげとげになってもう原型良く分からなくなってた心が、音楽で浄化されて、あるがままの素直な心になっていた。癒されていた。

今夜は特に生音というのもあるかもしれないけど、よりそばに、直接心に胸に、語りかけてくれるような感覚がした。
あぁもう、なんて陳腐な表現でしか言えないんだろう!
けど、本当に、心を見失ったひととか、深い悲しみや暗闇にあるひとに、光を照らして、そっと、力強く寄り添っていてくれる。
そんな音楽だから、ほんとうに私にとって角野さんの『ザナルカンドにて』は特別です。
それをあらためて思いました。


すみません…。今日までの配信だったので、のだめについても書きたかったのですが、またの機会に。あれも壮絶に最高潮に素晴らしかったので絶対書きたいのですが、泣。

今回のBBCpromsでも思ったのですが、言いたいことを端的にいうなら、
『角野隼斗さんが、めっちゃくちゃ楽しそうに、自分の大好きを貫いてそれが溢れまくって、思わず椅子からおしりが浮いてしまうほど乗っているときの演奏は、間違いなく超絶カッコ良くて最高に大好きだーーーーーー!!!!!!!!!』
ということです。

本当に最高にかっこよかったです!!!!
あらためて角野隼斗さんは垣根のない最高のピアニストだなぁと敬愛を深めてしまいました。
ありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?