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今年もうっかり真剣に生きてしまったあなたへ

今年もうっかり真剣に生きてしまいましたね。今年こそ冷めた人間になりたいと思いながらうっかり真剣に突っ走ってしまいましたね。
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今さら中島みゆきのファイトとか聞いてしまうと、あれやこれやの空回りを思い出して恥ずかしさと悲しさで号泣してしまうので、もっと楽しいこと、どーでもいいことを思い出して今年の自分を盛大に笑い飛ばしてあげましょう。ファイトは危険です。年の瀬なので今さら自分の傷を抉るのはやめときましょう。
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ところで最近小さな法則を見つけました。
人助けをすると、そのあと自動販売機でお茶買うと必ず777になってもう一本当たること。
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人通りの多い道、うずくまっているお婆さんに声を掛けたら突然の嘔吐!家に娘がいるからと、家まで付き添って歩いたあの日。
商業施設の少しの階段が登れなくて困っている女性の荷物を持って支えて一緒に登ったあの日。
東京駅の混み合う新幹線のコンコース、前から苦しそうにお腹を押さえてフラフラ歩いてる若い女性に声をかけたら泣き出して倒れ込んできて慌てて支えながら駅員さんとこに連れて行ったあの日。
交通事故で交差点の真ん中に倒れて意識がない女性。それを遠巻きに眺めて動かない当事者たちの代わりに怒りを抑えながら状況把握して救急車を誘導したあの日。
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人助けしてもただ会社に遅刻したり、新幹線に走って乗り込んでゼエゼエが止まらなくて隣のおじさんに嫌がられたりするのにそれでも放っておけない。目の前に苦しんでる人を助ける以外に優先することがあるとは思えない。それが未来の自分や家族であるかもしれないから。
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そしてそういうことのあった後、お茶を買うと必ず一本当たることに気がついた。
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神様、そもそも対価なんて求めてませんが、お茶一本ってどうなんすか?
そもそも対価は求めてませんが(2回言います)
出先でお茶がもう一本は、何気に罰ゲームに近いです。ペットボトルを2本を鞄に入れて駅のホームをダッシュするのも大変です。新幹線に遅れそうなのに!
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真剣に生きていると、本当にいろんなことが起きます。
怒ったり、泣いたり、悔しかったり、嬉しかったり、楽しかったり。どんなことも真剣だからこそ、色濃く強烈な感情が伴うのです。
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そして真剣だからこそ、なんかとんでもないことに巻き込まれたり、予想外の出来事に遭遇した結果、なぜかひとりでペットボトル2つ持って両手が塞がってあたふたしてる自分が爆誕してしまうこの因果関係がどうしても分かりません。
神様。どうして?なんで?
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真剣に生きてしまった結果、とんでもないことになってしまう人が作家の中にもいます。
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朝井リョウさんです。
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ゆとりシリーズとして有名な朝井さんのエッセイは、絶対に、絶対に!公共の場で読んでは行けません!
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警告しましたよ。
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電車の中では絶対に読んではならぬ。咳払いでは込み上げる笑いを誤魔化せません。腹筋が震え、肩が揺れ、怪しい人にしか見えません。さくらももこのエッセイを思い出して下さい。あれレベルです。
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このおもしろさは、やはり朝井さんがめっちゃ真剣に生きていて、そうだからこそ起きてしまうさまざまが、なぜかおかしみを呼び寄せるのだと思うのです。
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私たちは来年も、きっとうっかり真剣に生きてしまうでしょう。
しんどいことも多いけど、真剣に生きるからこそ得られることの方が私は多いと思います。たとえそれがもう一本のペットボトルだとしても←神様ちょっとあとで一緒に考えようかその還元方法。
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年末、ゆっくりできるならこの本を読むのもおすすめです。
でも1ページごとに笑えるから、もはや筋トレ。読書して筋トレできるなんて一石二鳥!

みなさんの真剣に生きて、一生懸命になって、時に冷めた目で見られた一年がどうか成仏できますように。

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