(韓国語)連結語尾マスターに必要な6つの観点【前編】 #2
前回の #1 で、韓国語の連結語尾(-지만, -니까 など)を勉強していく際に大変な点について簡単に説明しました。ここでは、今後の連載で詳しく解説していく連結語尾マスターに必要だと思われる観点を6つ挙げます。
① 連結語尾の前後の主語が同じか違うか
② どのような終結語尾と相性がいいか
③ 連結語尾がどのような性質を持った用言と結びつくか
④ 連結語尾がどのような文法要素と組み合わさるか
⑤ 連結語尾にどのような助詞が付くか
⑥ 連結語尾の後に文が続くかどうか
詳しくは後々解説しますが、①~⑥までの観点がどういうものなのか、実例を見ながら簡単に説明してみます。長いので今回は①から③まで。
① 連結語尾の前後の主語が同じか違うか
連結語尾でつながれた2つの文の主語が同じか、それとも違うかで意味が異なる場合があります。
例えば、連結語尾 -면서 は「〜ながら」という意味で使われるときは "나는 책을 읽으면서 (나는) 커피를 마신다."(わたしは本を読みながら(わたしは)コーヒーを飲む)のように、普通表には出ませんが、後の「コーヒーを飲む」の主語も「わたし」で、前後の主語が同じになります。一方、前後の主語が異なる場合、-면서 は「〜するにつれて、〜するのをきっかけに」といった意味を表すようになります。
ここで前後の主語を [ ] でくくってあります。前の主語は「冷たい空気」で、後の主語は「不安定」なので、主語が違います。-면서 はより正確には「(冷たい空気が)下がってくるにつれて、下がってくることによって」のように解釈できます。
ひとつの連結語尾が、前後の主語の異同によって複数の意味を表す場合には注意が必要でしょう。
② どのような終結語尾と相性がいいか
連結語尾でつながれた文の終わり、終結語尾にも影響を及ぼすことがあります。相性がいい終結語尾もあれば、相性が悪いものもあります。韓国語のテキストの中でもよく説明されることとしては、例えば原因・理由を表すとき -니까 は命令の終結語尾と相性がいいけど、-(아/어)서 は相性が悪いという事実があります。
(2) では 없으니까(ないから)の後に 먹어(食べなさい)という命令形が来ています。ここで 없으니까 を 없어서 とすると不自然になります。
このように、連結語尾を用いた文の締め、終結語尾にも気を配る必要があるのです。
③ 連結語尾がどのような性質を持った用言と結びつくか
連結語尾と結びつく用言はなんでもいいというわけではありません。このような性質を持った用言と結びつくとき、連結語尾はこのような意味になる、といったことを把握しておくと、似た意味を表す連結語尾の使い分けにも役立ちます。
例えば、-고 と -(아/어)서 を比べると、-고 のほうが他動詞(-를/을 と取る動詞)と結びつくことが多いということがわかります。あるいは位置や姿勢の変化を表す自動詞(-를/을 と取らない動詞)、「立つ」「座る」「横になる」などはだいたい -(아/어)서 と結びつきます。
(3) では姿勢の変化を表す 앉다(座る)が -(아/어)서 と結びついて「座った状態で」という意味を表しています。このようなことがわかっていると、 타다(乗る)は「(乗り物に)乗って」という意味で 타고 の形を取ることが多いけど、位置、姿勢の変化、つまり「乗った状態で」の場合は 타서 という形になるということも理解できます。詳しくは後ほど解説することにしましょう(-고 と -(아/어)서 の話をしだすと1万文字書いても足りません)。
次の【後編】では残りの④から⑥の観点について概説します。
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