(韓国語)文法要素と連結語尾の組み合わせ 【-았/었- 中編】 #14
今回は -면、-(아/어)도 が過去の -았/었- と組み合わさるときの例について見ていきたいと思います。実はこれらの連結語尾と -았/었- の組み合わせについてはまだよくわかっていないところもあり(誰か研究して💦)、わたしが先行研究を読んだり自分で研究してわかったことをもとに、できるだけ解説したいと思いますが、まだまだ研究が進んでいない領域だということをご承知ください。
さて、解説に入る前に「-았/었- と -면, -(아/어)도 との組み合わせはどんな例で使うか?例文を思いつくか?」ということを考えてみてください。
⏱シンキングタイム⏱
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それでは解説へどうぞ!
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-면
-았/었- と -면 の組み合わせでまず思い浮かぶのは -았/었으면 좋겠다, -았/었으면 하다 の形で、「〜だったらいいんだけど」という話し手の希望を表す場合ではないでしょうか。
-았/었- のない形でも用いられることはありますが、話し手の希望に限ってはだいたい -았/었으면 좋겠다, -았/었으면 하다 の形を取ります。
このような決まった構文以外によく用いられるのが、すでに起こらないことが確定している、事実に反することを仮定する場合です。反実仮想とか呼んだりします。日本語の場合は「〜していれば」のように「〜ている」で反実仮想を表しますが、韓国語は -았/었- を用います。また、(2) のように -ㄹ 텐데(〜はずなのに)が続けば間違いなく反実仮想です。
反実仮想は現実と異なり、仮定する事態は叶わないものだというニュアンスがありますが、ただ単に過去のことを仮定する場合もあると考えています。(3) のような例です。
(1)~(3) は全て仮定の話でしたが、実際に起こっていることについて、「そうであるなら」という時にも -았/었- と組み合わさることが可能です。(4) はシャワーをしてシャワー室から出てきた同僚に向かって言うセリフです。シャワーをするという出来事は既成事実です。このような場合にも -았/었 と -면 の組み合わせが使えます。
この他にも決まった言い回しとして -았/었- と -면 の組み合わせが現れることもありますが、これくらいをまずはおさえておくといいのではないかと思います。
-(아/어)도
-았/었- と -(아/어)도 の組み合わせは思っているより複雑です。例えば、次の例のように、過去のことであっても -았/었- と組み合わさらないことがあり、その場合2つの言い方ができてしまうからです。
-았/었- の可否まで完全に考慮に入れようとすると論文になってしまうので、いくつかの場合について、-(아/어)도 が -았/었- と組み合わさる例を取り上げたいと思います。
まず、(5) のように、単に過去のことを仮定して「〜したとしても、〜だっただろう」という場合について見ます。
次に、-면 のところでも見た、事実に反することを仮定して述べる例を挙げます。反実仮想の場合は -았/었- 必須です。
このように仮定のことを述べる場合もあれば、仮定とも事実とも言えない、不明の場合があるようです。「真偽のほどは不明だけど、そうだとしても…」と言いたい場合です。この例は「まだ〜ていない」という例なので -았/었- を取り去ることはできませんが、他の場合は -았/었- があってもなくてもよいようです(今後さらに調査が必要です)。
最後に、もうすでに起こった事実について述べる例を見てみましょう。この例は「聞いたけど」という逆接的なことを述べているに過ぎません。このようなときにも -(아/어)도 は使えます。日本語の「〜ても」では言いにくいでしょう。
(9) では -았/었- がなくても成立しそうですが、同じく事実について述べる例でも後半部分が現在の状態を述べる (10) のような場合は -았/었- を取ると意図する意味とは異なってしまいます。
さて、今回は -면、-(아/어)도 について -았/었- との組み合わせを見てきました。-았/었- と組み合わさらない例については見る余裕がありませんでしたが、そのような例についてはまたどこかで補足できればと思います。
次回は -니까 と -는데/ㄴ데 について、-았/었- との組み合わせを解説したいと思います。
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