パンとごはんと10時のおやつ。大人のための優しいアニメ「ACCA13区監察課」のススメ。

ゴールデンウィークが始まりましたが、いかがお過ごしですか。
緊急事態宣言も出ているのでステイホームの人も多いと思います。
私も完全に引きこもり、ステイホームを決め込んでいます。


そんなステイホームのお供に今回おススメしたいのがACCA13区監察課。

2017年に放送されていたアニメですが、私の住む地域では放送されていなかったのでこの3月にネトフリで配信されるまで名前すら知りませんでした。出来ることならリアルタイムで盛り上がりたかった...！

13の自治区から成るドーワー王国、ACCAは政治から独立した機関で、各区の医療、消防、交通などを管轄しており、その中において各区の支部が正しく機能するよう動くのが監察課。
その監察課副課長のジーン・オータスが13の自治区を視察して回る中で物語が動き始める、ざっくり言うとそんなお話です。

落ち着いた雰囲気で進むストーリー

前述したように、基本はジーンが視察する話です。
上からの指示でスケジュール通りに飛行機に乗り、列車に揺られ、各区を視察する。どこか冷めた目で淡々と業務をこなし、感情の起伏はあれど穏やかで、ただ流れに身を任せているのがジーン。行く先々で色々な出来事に遭遇するけれど、ジーンは終始落ち着いています。

本筋であるクーデターが動き出し、それに自分が巻き込まれてもそのスタンスは変わりません。クーデターの話が大詰めを迎えても、ジーンがそんな感じなので、物語全体のトーンも終始落ち着いたまま進みます。周りの登場人物も総じて穏やかで大人な対応をしているので、叫んだり罵ったりといった激しい場面はほとんどありません。全12話ですが、一気に観ても疲れることなくどこか心地良いのはそういったところからくるのかもしれません。

パンとおやつと美味しいごはん

とにかく出てくる食べ物がどれも美味しそうなのがACCAの魅力。

毎回必ず出てくるパン、特にモーヴ本部長との面会場所として通うことになるムギマキの食パンはトマト、カボチャ、イチゴ、キャラメルなど、とにかく種類が豊富な上にカラフルで美味しそう。

そしておやつ。監察課には10時のおやつタイムがあります。ちょっと賑やかな3人娘が毎回「今日のおやつはハチクマのロールケーキでーす！」などと高らかに宣言し、皆でシェアする光景はとても微笑ましいです。私の職場にもおやつタイムほしかった。他にも木の実のギュッと詰まったタルト、リンゴのケーキ、ユキノタマ...と挙げ始めたらきりがないほど沢山のスイーツが登場します。

最後にごはん。ジーンは飲み友達のニーノと仕事終わりによく飲みに行きます。そこで出るおつまみや食事もこれまたオシャレで美味しそうなものばかり。また、視察先で出てくる食事もその土地の特色が反映されていて、毎回楽しみのひとつです。バスウッドの巨大なフライドポテトは一度でいいから食べてみたい。

優しい色とお洒落な音楽

ACCAは色味がとても優しい気がします。別にイラストやデザインに詳しい訳ではないのでアレなんですけど、カラフルだけど目に優しい色合い。
あと、過去の回想シーンが全体的に淡い青色のフィルターがかけられたような演出になっているところがとても好きです。テロップや語りでわざわざ言わなくても「あ、これは過去の話だな」と一目でわかり、すんなりと過去の時間軸に入り込める。

そして音楽。主題歌もエンディングも最近よくある人気アーティストのタイアップ曲やキャストが歌うアニソンではありません。OPを観てもらえば一発なんですが、とにかくお洒落。昔カウボーイビバップのOPを観た時以来かもしれない。曲と作品の世界観がうまくシンクロしていて、何度観ても飽きることがありません。

作中のBGMもお洒落なバーで流れているような、大人っぽい音楽ばかりで、心地よい。一番好きなのはジーンとニーノの過去を振り返る8話です。挿入歌「It's my life」の優しい歌声をBGMに幼少期のジーンとロッタ、そしてニーノ、それぞれの姿がとても丁寧に、優しく描かれています。

耳が喜ぶ「聴くアニメ」

ACCAのキャストはこれでもかというほど贅沢です。
まず主役のジーンに下野紘さん、親友ニーノは津田健次郎さん。
これだけでも贅沢だなぁ、と思うのですが、それでは終わらない。

ACCAには５長官による幹部会議のシーンが度々あります。
その５長官には大川透さん、緑川光さん、諏訪部順一さん、安元洋貴さん、遊佐浩二さん。最初にこの会議のシーンを観た時にはひっくり返りました。
このメンバーが揃うことなんて早々ないと思うくらい豪華。もう会議の度に耳が幸せ。たとえ内容が不穏だとしても。

他にもモーヴ本部長に田中敦子さん、王位継承者の「バカ王子」に宮野真守さんなど、脇を固めるキャストの方々も皆素敵な声で物語を彩ります。

とても耳ざわりが良く、音楽もお洒落なので、一日中流してラジオのように聴いていることもあります。



とりあえずおススメポイントを書き殴ってみました。

ちなみに私はドハマりして「この先配信終了して人生からACCAが無くなったら困る」という理由で本編を一枚に凝縮したBlu-rayをポチリ、昨年開催された音楽朗読劇のBlu-rayが発売されると知りすぐさま予約し、主題歌と挿入歌も速攻購入しました。
サントラ集を買うのも時間の問題な気がします。

先日発売されたばかりの音楽朗読劇は、前述の豪華キャストが勢揃いし生演奏をバックにストーリーをなぞっていきます。本編のサイドストーリー的な脚本も追加されてACCAの物語が補完されているのが嬉しい。
舞台セットも照明もとてもムーディーで、大人のためのショーですね。
はー幸せ。


各種動画サイトで配信されているようなので、一度観てみてはいかがでしょう。きっと次の日パンが食べたくなること間違いなしですよ。